搔きすぎて眠れないほどしんどいのに、アレルギーだからと半ば諦めていませんか?
一般的に、「アトピー性皮膚炎だから、かゆいのは仕方ない」と考えられがちです。
しかし私は伝えたいです、「アトピーはストレス性」だと。
なぜならストレス性を自覚し、適切なケア方法を学ぶことで、かゆみ改善の事例もあるからです。
実際にアトピー性皮膚炎で入院する患者の85%以上にストレスへの関与が認められた研究データも出ています。
そこで、NPO法人環境アレルゲン協会にて「ストレスとアレルギー」講演し、ストレスケア本も出版。心理歴16年目&副業カウンセラー養成スクール代表が「アレルギー症状を和らげる3アクション」について、お伝えします。
これを読むことで取り組むことで、肌の調子も解消できますよ。
目次
かゆいから掻くわけじゃない?アトピー行動の真実
かゆいから掻く。掻くから赤くなったり、皮膚が剥がれ落ちたりするのは仕方ない。あなたもそう思い込んでいませんか?
けれども、実際にはかゆいから掻くわけではなく、得られるメリットがあるため掻くのです。
自然科学研究機構生理学研究所の望月秀紀特任助教授、柿木隆介教授が行った研究では、次のことが明らかになりました。
「掻くこと(搔破)によって生じる快感に報酬系と呼ばれる脳部位(中脳や線条体)が関係」
「搔破によって生じる快感は掻破を増強させる悪因子のひとつ」
「上手にコントロールできれば、過剰掻破を抑えることができます。」
引用元:米国の学術専門誌Journal of Neurophysiology(神経生理学雑誌)
つまり、アトピーで掻く背景には、「掻くことで得られる気持ちよさ」があるのです。気持ちの良さは、必ずしも快感だけでなく、安らぎを指します。
掻くよさを味わえば「掻けば同じ気持ちになれる」と、掻破が強化されます。
当たり前のことですが、掻けば肌は傷つきます。炎症は悪化し、かゆみや湿疹が増します。結果、薬が効きにくくなるという悪循環を招くのです。
アレルギーが悪化する原因はストレス?
子どものころからのアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー反応に悩まされていると、「体質だから」の一言で片づけていませんか。
アトピー性皮膚炎の方の相談に乗ったり、様子を伺ったりすると、緊張や不安などのストレスを掻いて紛らわせるケースも少なくありません。あなたも思い当たる節がありませんか?
このようなアレルギーとストレスにまつわる研究結果も出ています。
「アトピー性皮膚炎の悪化要因、成人は心理的なストレスが多い」
「心理的なストレスが脳の自律神経系や免疫系の働きを見出し、かゆみを促進する」
引用元:厚労省の調査結果
「慢性的なストレスを抱える人はアレルギーの症状が出やすい」
引用元:アレルギー・ぜんそく・免疫学専門誌『Annals of Allergy, Asthma, & Immunology』の予備調査結果
つまり、慢性的なストレスがかゆみを促し、搔きたい衝動を助長するのです。
ストレスはなくさなくていい
ストレスが主悪の根源かというと、思い当たるのは人間関係のストレスの人が多いのではないでしょうか?
- 苦手な上司
- 残業や押し付けられる業務
- 離職やメンタル不調の多い社内
- 悪口や陰口の萬栄する環境 など
とっさに「ストレスが悪化の原因ならおさらばしよう」と考えるかもしれません。しかし、ストレスをなくせばいいという安易な考えはやめましょう。
アトピー性皮膚炎という「病状によるかゆみ」もあります。ストレスで「悪化」「助長」しているだけで、「ストレス0=かゆみ0」ではありません。
またストレスホルモンがきちんと分泌されることは、現状打破や成長促進などの利点もあります。詳しくは下記にまとめています。
適切なケアでアレルギー反応は改善する
ストレスをなくさないとしたら、何を目指すべきなのでしょうか?答えは「ストレス反応に適切なケアをする」ことです。
かゆみ0を目指すことも、ストレスを与える人を排除するのも現実的ではありません。
しかし、かゆみ・赤みに関しては「ケア方法」を知ることで、過剰な掻きたい衝動を抑え、肌のコンディションも改善できます。
東京女子医科大学大学病院精神科の加茂登志子先生が、次のようにと明かしています。
「入院治療中の重度アトピー性皮膚炎」に面接したところ、入院前1年間に悪化に関与するストレスがあると認められた割合が85%」
「日記療法で自分ケアをする方法を取り入れた結果、肌の調子が整う、精神的に安定、人間成長が見られた」
つまり、自己ケア(ストレスケア)を行うことは、掻破を減らし、皮膚の改善に通じるのです。
まずは、3ステップでケア法を取り入れ、かゆくて眠れない状況から抜け出しましょう。
アレルギー症状を緩和させる3つのアクション
大きな一歩よりも、小さくても着実に歩む方が、目的達成に近づきます。ここでは3ステップに分解しながら、アレルギー症状を抑えるための方法を紹介します。
1.改善させる意欲を持つ
1つ目は「改善させる意欲を持つ」ことです。
1つ事例を出しながら、質問をします。交通事故に遭い、複雑骨折で全治1年のAさん・Bさんがいます。
【Aさん】
「事故に遭ったからしかたない」と動けない体に対して、投げやりです。医師の指導もどこか上の空で、1日のほとんどを寝て過ごします。
【Bさん】
「元のように動けるようなりたい」とリハビリにも意欲的。医師の言うこともすべて聞き入れて、チャレンジしています。
さて、どちらの方が改善のスピードが速いでしょうか?どちらの方が達成する可能性が高いと思いますか?
きっとBさんでしょう。それは「目的」が明確であり、それに向けた行動をとっているからです。
- あなたはかゆさ、赤みなどを改善したいですか?
- その気持ちはどの程度強いですか?
- そのために改善行動をしますか?
改善させるには、本人の意思も不可欠です。反対に、意思があり、改善の行動をとることで、目的を達成できます。
これまで600名以上の相談に乗る中で、アレルギー症状が強く、顔や腕などに赤みや湿疹が多数出ている相談者が来たこともあります。
親子関係の悩みを中心にカウンセリング等を実施し、半年が過ぎるころにはご本人から「心が穏やかになりました。最近、かゆみも引いてきて、塗り薬が減りました」との報告も。
その方の場合は、目的は人間関係ストレスの手放しでした。けれどそのプロセスできちんと原因と向き合い、心と向き合っていきました。
そして心理的ストレスが和らぎ、気持ちを抑えるためにとっていた掻きむしる行動が減少。結果、肌の調子もよくなったのです。
あなたも良くなりたいのなら、「しかたない」ではなく、「改善しよう」と意欲を持ちましょう。
2.日記で掻破行動の自覚をする
2つ目は「日記で掻破行動の自覚をする」ことです。
あなたが掻きたくなるのはどんなときですか?
- 寝る直前
- 通勤時間
- 打ち合わせや会議の前
- 苦手な同僚と話中
- 我慢を強いられるとき
- 暑くて汗があふれ出るとき
- 寒くて肌が乾燥するとき など
ぱっと答えられる人もいれば、すぐに答えられない人もいることでしょう。手を打つためには、「掻く瞬間」を知ることが肝心です。
現状把握には、日記がおすすめです。夜寝る前に、1日の行動を振り返って、記録をつけましょう。
- どんなときに掻く?
- どんな気持ちで掻きたくなる?(イライラ/焦り/緊張/不安/モヤモヤなど)
記録を頼りに、「何がストレスか?」「どんなストレスを抱えているのか?」を分析することで、原因の特定や自覚に役立ちます。
なお、寒暖差や湿度も「物理的ストレス」の1つです。ストレス要因自体は変えようがありません。しかし「汗を素早く吸収する日服を着る」「保湿クリームを1日5回・寝起き、朝食後、昼休み、帰宅後、夕飯後に塗る」などの対処は誰でもできますね。
私も6歳から日記を書き続け、56冊目。現在、25年以上も続いています。毎日書くことで「自分のクセ」を知り、悩みの改善や目的への達成に役立っています。
ぜひあなたも今日から日記を書きましょう。
3.自律神経を整えるアクションをとる
3つ目は「自律神経を整えるアクションをとる」ことです。
日記ではどんなときに掻くことが多かったでしょうか?不安や緊張、漠然とした恐怖や未来への心配など、感情の動きに伴って搔いている方が少なくありません。
緊張や不安などの心理状態は「自律神経」のうち「交感神経」がピーンと張った状態です。掻くことによって、気がまぎれてリラックスし、副交感神経が優位な状態へと戻ります。
とっさに掻く行動をやめるには、別のアクションで気持ちを落ち着ければいいだけです。置き換えるためにも、リラックスできる行動を知り、自分に合うものを導入してみてください。
- ゆっくりぬるめのお風呂につかる
- 好きな香りをかぐ(アロマセラピー)
- ストレッチやヨガをする
- 日記を書く
- お腹から呼吸法をする
- 日記を書く など
緊張状態が続くと、呼吸も浅くなりがちです。深く長く呼吸をすることで、力みも取れて、自律神経のバランスも整います。いくつか試してみて、合うものを探しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
- かゆいから掻くわけじゃない?アトピー行動の真実
- ストレスでアトピーが悪化する理由
- 適切なケアでアレルギー反応は改善する
- アレルギー症状を緩和させる3つのアクション
についてお伝えしました。
アレルギー症状は、子どものころから続く方が多く、いっそ諦めたい心境の人もいるかもしれません。
けれど、ほんのわずかでも「良くなりたい」気持ちがあるのなら、ぜひ改善意欲を持ち、記録をつけるところから始めてください。毎日書くことで、ストレスだと感じる場面に気づき、「今日は会議があるからアロマを持ち歩こう」「苦手なスピーチがあるから、腹式呼吸を意識しよう」と、改善アクションが取れるようになります。
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