カウンセリングや心理学に興味があるものの「ほんとうに効果があるの?」「逆効果になることはないの?」と疑心暗鬼になっていませんか?はじめての相談を検討の方は、期待より不安の方がよいかもしれませんね。
私も初めて相談をした日は、不安と心配でいっぱいだった記憶があります。そこで相談実績700名以上&心理本を出版しているカウンセラーが「カウンセリングが逆効果になる7ケース」と「効果を高める12の方法」を紹介します。
事前に知識をつけておくことで、効果的な受け方ができることでしょう。ぜひカウンセリングを予約&受ける際の参考にしてくださいね。
目次
1.カウンセリングを受ける意欲が低い
1つ目は「カウンセリングを受ける意欲が低いケース」です。
カウンセラーをしていると、親や配偶者、上司などが、こどもや奥さん、部下などの同意もなく申し込んだり、本人が納得せずに無理やり連れてくることがあります。
本人としては「受ける意思がない」「受けたいと思っていない」「カウンセリングの可能性を信じていない」などの状態のため、意欲はとても低く、建設的なカウンセリングをするのが非常に厳しいです。
実際にカウンセラーの仕事をする中で、親がこどものことを心配し、無断で申し込みをし、不信感まみれでカウンセリングの時間が始まったこともありました。
こどもの不登校やいじめ問題、何らかの病気や家庭内不和などで、親が心配する心情は理解できますが、小中学生では自我や意思などがあります。
こどもの心境としては「無理やり連れてこさせられた」「何を言わないといけないの⁉」と不信感や怒りを感じながらの会話が始まるため、かえって逆効果になることもあるでしょう。
効果を高める方法①必ず本人の同意&「受けたい」意思を確認する
では、こどもの不登校やいじめ、配偶者やパートナーのメンタル不調の言動などで、カウンセリングを受けてほしい場合には、どうしたら良いのでしょうか?
答えは「必ず本人の同意&『受けたい』意思を確認する」ことです。
上の立場を利用して命令しても、本人はイヤイヤ受けることになります。当日になって、体調不良を理由にドタキャン、あるいは、ひたすら50~60分間沈黙の時間になるかもしれません。
そうならないために、事前に「受けたいか―受けたくないか」を聞いてください。
親や配偶者の立場で受けてほしかったとしても、実際に受けるのは本人です。気持ちを確認し、受ける意思が確認でき、なおかつ同意が得られた場合に申し込みをしましょう。
本人が「受ける」「受けたい」と言ったのなら、本人の意思です。強制的に連れてこられた場合と比較し、カウンセリングに主体的にかかわろうとし、効果的な受け方になるでしょう。
2.カウンセラーとの相性が悪い
2つ目は「カウンセラーと相性が悪い」ケースです。カウンセラーも人間のため、合わないケースもあるでしょう。柔らかな雰囲気であっても、話し方が苦手であったり、話が合いづらかったりすることもあるかもしれません。
ときに、カウンセリングをしていると、性的暴行の被害者や男性からのDV被害者の相談を受けることもあります。その場合、「女性のカウンセラー」を求めてきます。
加害者と同じ性別の男性に対して、恐怖心が起こったり、不安が増したりする懸念から、無意識的に同性を好むのでしょう。
この相談内容のときに、男性のカウンセラーが対応していたら、まったく進まなかったかもしれません。このように、性別や年齢、相談内容などに合わせた「相性」も逆効果になる1つの要因です。
効果を高める方法①聞いてもらいたい人物像をイメージする
「相性」の問題による、カウンセリングの効果の半減を防ぐには、「聞いてもらいたい人物像をイメージする」ことが大事です。あなたにとって、どのような人が話しやすいですか?
・ふんわりした人?はきはきした人?
・同年代?それとも年上の方が話しやすい?
・同性がいい?それとも異性の方がよい?
事前にある程度「このような人に相談したい」というイメージができると、カウンセリングの効果的な受け方が叶いやすいでしょう。
効果を高める方法②インターネットで複数調べてから申し込む
合わない問題を解消し、カウンセリングの効果を高めるためには「インターネットで複数調べてから申し込む」のをおすすめします。
ひとえにカウンセラーといっても、無数にいます。あなたにとって、話を聞いてもらいたい人物像が具体的であるほど、インターネットで調べた際に見つけやすいでしょう。
個人経営や小規模なカウンセリングルームなら、在籍しているカウンセラーの顔写真が掲載されているため、イメージを掴みやすいです。プロフィールや思いなども読み込むことで、相性のよいカウンセラーが見つかることでしょう。
実際に、当カウンセリングにお越しの方は、ブログやメルマガなどで人柄や顔写真、YouTubeの話し方などを確認したうえで、申し込んでくる方も多いです。
よく読んでお越しになる人ほど、私の価値観やカウンセリング方針を理解しているため、スムーズにカウンセリングが進み、不眠症の改善や夫婦円満など抜本的な解決に至るケースも多々あります。
事前にリサーチし、相性のよい人に相談しましょう。
3.当事者意識がほとんどない
3つ目は「当事者意識がほとんどない」ケースです。
なかには、カウンセリングの認識が誤っていたり、投薬治療のように受け身で相談に行けば自動で良くなるものだと思い込んでいたりするケースもあります。
例)「お金を払っているんだから、○○してもらえて当たり前」
「良くならないのは、カウンセラーのせいだ(自分のせいじゃない)」
しかし、カウンセリングは二人三脚で取り組むものです。50~60分間座っていれば、自動で悩みが解消するものではありません。
なぜなら、悩みと向き合い、解消していくのは、クライエント(相談者)自身であり、カウンセラーはあくまでも伴奏者だからです。
この辺りの認識が相違していると「受けたけど、良くならなかった」「時間の無駄だ」と、逆効果のように感じるかもしれません。
効果を高める方法①カウンセリングの概要を理解する
では、当事者意識がほとんどないケースに対し、効果を高めるにはどうしたら良いのでしょうか?
ずばり「カウンセリングの概要を理解すること」です。
知らないのならば、これから知ればOKです。
・カウンセリングや傾聴とは何か?
・投薬治療と自然療法とちがい・メリット・デメリット
・カウンセラーと相談者の在り方・関係性
・カウンセリングポリシー
これらのカウンセリングの概要を知ることで、誤った認識を払しょくでき、効果的な受け方へとチェンジできるでしょう。
調べたり、理解をしたりするのが難しければ、カウンセリングの場で「どんな受け方が効果的ですか?」と聞いてみるのもよいでしょう。
プロのカウンセラーは、親身になって教えてくれるはずですよ。
効果を高める方法②自分の人生の舵取りをすると決める
当事者意識がほとんどないケースに対し、効果を高める方法その2は「自分の人生の舵取りをすると決める」ことです。
カウンセリングを受けることで「気持ちがラクになる」「親に支配されていると気づく」「つらいのは我慢グセのせい」など、何らかの収穫があることは多いです。
けれども、気づいたことを行動にうつすかどうか本人次第。変わると決めるかの最終決定権は、本人です。カウンセラーが代わりに何かをしてあげるわけではありません。
その意味で「自分の人生の舵取りをする」と決めることが、カウンセリングだけでなく、人生全体をより良くするのです。
受動的に成り行きに任せるよりも、主体的に「こうありたい」に向かって動くことで、すべての時間がきっと有意義になるでしょう。
4.コロコロとカウンセラーを変える
4つ目は「コロコロとカウンセラーを変える」ケースです。
1回受けても効果がいまひとつだったり、そこまで相性がよくなかったりすると、別のカウンセラーを探したいと思うかもしれません。けれども、それは逆効果です。
なぜなら1回目はインテーク面接と呼ばれ、お互いの相性を確かめる場であり、2~3回目で深めていくのが一般的だからです。
それにもかかわらず、毎回カウンセラーが変われば、最初から伝えねばならず話が発展しません。カウンセリングの効果が出づらいでしょう。
効果を高める方法①継続して1人からカウンセリングを受ける
カウンセリングの効果を高めるために「継続して1人からカウンセリングを受ける」ようにしましょう。
カウンセリングはお薬のような即効性は、あまりありません。
特に初回の場合には「何を重視してきているのか」「話を聞いてもらいたいだけか?それとも悩み解決に向けて取り組みたいのか?」「別の視点で考えられるようにしたいのか?などを相談内容や表情などから総合判断し、方向性を決めていくステージです。
1回目の内容を踏まえて、2回目でより深い話となり、複数回で良くなることが多々あります。
実際に、うつで休職中だったある男性との初回カウンセリングでは「主な悩み」「悩みの原因や背景」などを伺い、おもな心理療法やアプローチ方向を見出し、5回目で職場復帰に至りました。
もちろん、途中で向精神薬の減薬、最終的には断薬に至るなどの各回での効果もありましたが、本人が得たいゴールは複数回によって得られています。
継続的に通うことで、カウンセラーと相談者の信頼構築もでき、最終的なゴールへと近づきます。1人のカウンセラーのもとで、じっくり向き合っていきましょう。
5.単発でぶり返してから相談に来る
5つ目は「単発でぶり返してから相談に来る」ケースです。
1回受けるだけでも、気持ちの面ではラクになったり、気持ちが晴れたり、スッキリした気分になることも多いです。
けれども、あくまでも気持ちの面です。1回きりでは根本的な原因(不倫やDV、モラハラやいじめなど)は残っているため、時間を経つごとに再びブルーに。カウンセリングを再び受けに来る頃には、元の状態もしくはそれ以上に悪化しています。
せっかく受けに来ているのに、いくら時間が経っても同じような相談をくり返すため、やがて不満が芽生えたり、「本当に効果あるのかな?」と疑心暗鬼になったりするでしょう。
効果を高める方法①勝手に中断をしない
「単発でぶり返してから相談に来る」ケースに対し、カウンセリング効果を高めるためには「勝手に中断しない」ことです。
カウンセラーは相談者の様子を見て、次回提案をしたり、次回の都合を聞いたりするでしょう。けれど、その瞬間良くなったから「いいです」と断ったり、勝手にキャンセルしたりすると、たいていぶり返します(いわゆるリバウンド)。
実際に毒親の相談を受けていたとき、初回で「気持ちがラクになった」とお話になりましたが、本質的な部分に「過干渉と対峙」「親離れと自立」などの課題も見えました。
そこで次週も来てくださいと告げ、複数回の相談に乗ることで、不健全な親の支配から解放され、相談者は笑顔を取り戻しました。
もしこれが「来週も来てください」といわれているのに、放置されていたら一向に支配から逃れられなかったり、逆に勘当して親子の縁がぷっつり消えたりしたかもしれません。
カウンセラーは中長期的な視点から「次週も」と告げていることもあります。その瞬間だけを見て中断せず、通うことでカウンセリングの効果が高まるでしょう。
効果を高める方法②どうなりたいか、をイメージする
「単発でぶり返してから相談に来る」ケースに対し、カウンセリング効果を高めるもう1つの方法は「どうなりたいか、をイメージする」ことです。
あなたはカウンセリングの時間をどう使いたいですか?
・モヤモヤした気持ちをスッキリさせたい/不安を和らげたい
・まずは聞いてほしい/考えを受け止めてほしい/愚痴を吐きたい
・困っていることへの解決策を見出したい
カウンセリングでは「聴いてほしい」だけの人も来ますが、感情面を解消したい人、根本的な問題解決につなげたい人もいます。
しかし、これらの要望を言語化できないと、カウンセラーは要望に沿ってその時間をすすめることができません。
あなたの希望がわかることで、「愚痴聞き」「柔らかな雰囲気で気持ちがラクになるセラピー型カウンセリング」「根本解決を得意とする人のカウンセリング」など、希望にマッチしたカウンセラーを選びだせて、効果実感できるでしょう。
6.意思疎通が困難
6つ目は「意思疎通が困難」ケースです。
一般的に多くの人は「話を聞いて」「上司のパワハラを何とかしたい」など、何らかの悩みと要望を持っています。けれども統合失調症や認知症、知的障害などで、意思疎通が図りづらい状態もサポートが困難になるケースがあります。
せっかくカウンセリングを受けに来ても、意思の確認が取りづらい場合、効果が実感しづらかったり、伝わらないジレンマでかえってストレスが増す逆効果になるかもしれません。
効果を高める方法①応用心理療法を得意とするカウンセラーに相談する
重度な統合失調症で、簡単な質問に対して「はいーいいえ」も言えない相談者の場合、薬物療法でよくするのがオーソドックスかもしれません。
けれども、自然療法で少しでも良くしたいという考えの場合、「応用心理療法を得意とするカウンセラーに相談する」手があります。
会話をする力がなかったとしても、芳香療法や色彩療法、芸術療法や箱庭療法などの応用心理療法によって、感情や思考を読み取るサポート、寄り添うことなども可能です。
7.専門分野外の先生に相談している
7つ目は「専門分野外の先生に相談している」ケースです。
医師に「外科」「耳鼻科」「婦人科」などの専門分野があるように、カウンセラーも専門分野があります。
基本的にプロである以上は、どの分野の相談でもある程度は聞けるでしょう。しかし専門分野の方が改善に向けてスムーズです。
当直の先生が整形外科のときに、大怪我で駆け込んだのなら、きれいに縫ってくれるでしょう。しかし、泌尿器科や内科医だったら、整形外科ほどきれいに縫えない可能性が濃厚です。
同じようにカウンセラーも分野外の場合にもサポート自体はできます。しかし、あまりにも高度な専門性が求められる内容だと力不足なり、かえって知識や力量不足が逆効果になるケースもあるでしょう。
効果を高める方法①事前にカウンセラーのプロフィールや経歴を確認する
では、「専門分野外の先生に相談している」ケースに対して、どうしたら良いのでしょうか?
ずばり、相談したい内容を踏まえて、マッチする先生かどうか「事前にカウンセラーのプロフィールや経歴を確認する」のをおすすめします。
個人経営のカウンセリングサロンや小規模なカウンセリングルームなら、WEB上で確認できるところも多数あります。
たとえば、「犯罪を犯してしまった」という相談なら「犯罪心理」の専門家がよいでしょう。「小3の娘が不登校で……」という相談なら、未成年の心理に長けている学校心理士や児童心理に長けているスクールカウンセラーがベターです。
このように、該当するカウンセラーかどうか、事前に経歴や資格、プロフィール欄から調べて、最適な人を選びましょう。
効果を高める方法②専門分野の先生などを紹介してもらう
「専門分野外の先生に相談している」ケースが疑われるけれど、「そもそも私の悩みの専門分野は何か?」「どの資格を持っている人を選べばいいのか?」など迷ってしまうかもしれません。
その場合には、まず10年以上のキャリアがあり、相性のよさそうなカウンセラーの相談を受けに行くとよいでしょう。
もし違っていたとしても、豊富な相談実績や心理歴、知見などをもとに、専門の先生をも紹介してもらえる可能性も上がります。
実際に私も、心理歴10年以上あり、明らかに分野外の方には該当の人がいたらその人を紹介し、いない場合には探し方を教えています。
なお、各心理分野については、下記ブログにもまとめています。専門分野で迷っている方はご活用くださいね。
■心理学の分野は何がある?基礎・応用それぞれをわかりやすく解説
カウンセリングの効果を120%にするには相談者側の準備も大事
いかがでしょうか?今回は「カウンセリングの相談効果を高める12の方法」として、
- 必ず本人の同意&「受けたい」意思を確認する
- 聞いてもらいたい人物像をイメージする
- インターネットで複数調べてから申し込む
- 主体的にカウンセリングを受けに行く
- 自分の人生の舵取りをすると決める
- 継続して1人からカウンセリングを受ける
- 勝手に中断をしない
- どうなりたいか、をイメージする
- 応用心理療法を得意とするカウンセラーに相談する
- 事前にカウンセラーのプロフィールや経歴を確認する
- 専門分野の先生などを紹介してもらう
などについて、お伝えしました。
カウンセリングは「話を聞いてもらうもの」「慰めてもらうもの」のイメージが強いかもしれません。たしかに気持ちを楽にしたり、ストレスを和らげたりする効果があります。
一方で、効果的な受け方をすることで、思考グセや行動パターンが変わっていき、根本的な職場いじめやモラハラ彼氏などの悩みから解放されることも少なくありません。
よりカウンセリングの効果を高め、相談の時間を有意義に過ごすために、ぜひ主体的に受けるように心がけるのをおすすめします。
あなたの心の問題が和らいでいったなら、今度は支える側にステップアップしていくこともできます。ご興味ある方は「オンラインカウンセラーになるための7日間メールレッスン」をご利用ください。
あなたの心が晴れやかになり、あなたとあなたの周りに笑顔の花がたくさん咲きますように祈っています。
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