「カウンセリング中に共感しすぎてしまう」「相談に乗った後にぐったりする」などと悩んでいませんか?
私もカウンセラーになりたてのころは、共感しすぎによる疲労でぐったりしていました。しかし適切な知識とスキルを身に付け、悩みを解消。心理本も出版し、現在は700名以上の実績を積み、起業9年目を迎えられています。
今回は「共感しすぎる人への4つの対策」をご紹介します。適切な知識とスキルをつけ、共感疲労に陥ることなく、冷静かつ寄り添って聴けるあなたへとステップアップしていきましょう。
目次
共感しすぎてつらくなる3つの理由とは?
共感しすぎてつらい状態のことを心理学では「共感疲労」と言いますが、なぜ共感疲労は起こるのでしょうか?おもに3つの原因があります。1つずつ見ていきましょう。
共感力が強すぎるから
1つ目は「共感力が強すぎるから」です。
カウンセラーや目指す方の中には、共感力がとても強いHSP気質の方も少なくありません。
HSPとは先天的に人の感情の機微に敏感で、共感力が強い特徴を持っています。細かなサインから相手の感情を読み取るのに優れている一方で、刺激に対して敏感に反応するため疲れやすい特徴もあります。
その特徴から「繊細さん」や「敏感さん」とも言われています。
人の話を聴いているうちにあたかも自分が味わったかのように感じてしまい、感情移入がしすぎると共感疲労に陥りやすいです。
結果として、相談した相手は「聴いてくれてありがとう」とスッキリしたのに、カウンセラー側が疲労困憊で眠れない、ぐったりと疲れが取れない展開になることもあります。あてはまる方は共感しすぎていることをまずは自覚しましょう。
カウンセリングの範囲や境界線を越えているから
2つ目は「カウンセリングの範囲や境界線を越えているから」です。
心理スクールや心理系の大学院等で心理学を学ぶと、カウンセラーの在り方や倫理、脅威回線なども実習やロープレなどを通して学ぶことが多いでしょう。
実際に当スクールでも、座学で「在り方や倫理」を教え、実技で範囲を超越している生徒にはカウンセラーとしての関わる範囲を指導しています。
しかし独学や通信制の学校でしか学んでいないと、そもそも習っていないがためにカウンセラーとしての適切なかかわり方や適切なカウンセリング範囲、境界選を超えて関わってしまうことになりかねません。
線を越えて関われば、2つの最悪の結末をたどることがあります。
1つは「○○してあげなきゃ!」と過剰にかかわりすぎて、共依存に陥るケースです。もう1つは頑張りすぎてしまい、カウンセラーが燃え尽き症候群になるケースです。
いずれの場合も中長期的な伴奏ができなくなり、共倒れに陥るリスクがあり、大変危険です。安価で済ませようと適切な学びを得ないのは、カウンセラー側にとっても、大変リスクと言えます。
対人ケアだけで自己ケアが不十分
3つ目は「対人ケアだけで自己ケアが不十分」だからです。
カウンセラーだって人間です。被災者や犯罪の被害者、DV被害者や老々介護の悩みなど、ディープな悩みは聴く側の負担もかかります。
それなのに、人のためにケアするだけで自分のケアが不十分なまま過ごしていると、疲れが翌日、翌々日に持ち越され、のちに「もう何もしたくない」と疲れ果ててしまうのも当然のこと。
心のプロであるカウンセラーも生身の人間であることを自覚し、自己ケアをすることが欠かせないのです。
カウンセラーが教える!共感しすぎる人への4つの対策
共感しすぎてつらい理由がわかったら、次は対策です。冷静かつしっかり中長期的に寄り添っていくためにも、共感しすぎへの対策を講じましょう。
共感と同感のちがいを理解する
1つ目は「共感と同感のちがいを理解する」ことです。
あなたは共感と同感のちがいを人に説明できますか?副業や起業カウンセラーとしてお仕事をしていくのなら、理解するだけでなく、説明できるレベルまでもっていきましょう。
共感とは、ともに感じることで「○○で悲しいのですね」「つらいのですね」などと応答します。対する同感とは同じく感じることで、「悲しいですよね」「つらいですよね」と応答します。
一見似ていますが、同感は相手の感情に飲まれるリスクがあり、感情の混合が起きやすい特徴があります。
カウンセラーとしてかかわるのなら、誰の感情であるのかを区別することが肝心です。カウンセラーとしての在り方を十分に学んでいないのなら、倫理や在り方も学べる学校で学び直すことが対策になります。なお、当スクールでも倫理や在り方は座学で学べます。
境界線と責任範囲をしっかり持つ
2つ目は「境界線と責任範囲をしっかり持つ」ことです。
カウンセリングをするときに「助けてあげなきゃ」「解決してあげなきゃ」と思っていませんか?はたしてそのかかわり方は、カウンセラーとしての正しいのでしょうか?
カウンセリングに来るのは、ダメな人や弱い人ではありません。悩みや課題によって心が揺さぶられていますが、「立ち上がりたい」「乗り越えたい」「変わりたい」など、何とかしたいと思い、勇気を出して相談に来てくれた人なのです。
(何も問題意識がないのなら、そもそもお金を出してまで来ませんし、問題も先延ばしや見ないふりになります)
カウンセリング初回では、吹けば飛びそうなほど心が弱っていることも多々ありますが、3回、4回と重ねることで「イヤですと伝えます」と目を見てハッキリと自己主張できるようになったり、「来月から職場復帰します」と宣言したり、ガラリと変貌を遂げる瞬間に立ち会うことも多々ありました。
それらの経験から言えるのは、カウンセリングに来るのはかわいそうな人でも、同情の必要な人でもないということです。だからこそ悩み解決の主人公は、相談者自身です。
あくまでも伴奏者の立場であるのを理解し、見守ること・可能性を信じることも大事です。責任範囲を超越するとカウンセラー側も心が苦しくなり、相談者の依存や共依存、燃え尽き症候群になる恐れもあります。
カウンセラーの範囲でサポートを徹底しましょう。
セルフケアを徹底する
3つ目は「セルフケアを徹底する」ことです。
あなたは日ごろから自己ケア(セルフケア)をしていますか?
ストレスへの対処が必要なのは相談者だけでなく、ディープな相談を受けるカウンセラーも同様だからです。
むしろハラスメントやいじめ問題などネガティブ感情になる相談を受ける分、カウンセラーの仕事は、他のお仕事以上にセルフケア、自己ケアが必要な仕事と言えるかもしれません。
・アロマを炊く(アロマセラピー)
・半身浴をする
・運動する/体を動かす
・森林浴をする/植物を愛でる
・旅行に行く
・先輩や先生に相談をする
・SVを受ける など
疲労困憊で聴くのがつらいとならないためにも、カウンセラーこそ日ごろからケアを徹底しましょう。
セルフケア方法を30個以上保持する
4つ目は「セルフケア方法を30個以上保持する」ことです。
あなたは日ごろから行っているセルフケア方法は何個ありますか?
カウンセリングに来る方やスクール生などに訊いてみたところ、10個未満の方が9割以上でした。そして、その大多数が人間関係や将来、健康や家族、経済面などの多くの悩みを抱えていました。
あるスクール生も講座受講当初は5つくらいしかなく、ロープレやカウンセリング提供後にぐったりしていました。
そこで、個別コンサルにてセルフケア方法について話を掘り下げ、共同ワークにて30個以上見つけ出したところ、講座修了頃には「疲れにくくなった」と話すだけでなく、本業の悩みに対しても「これがダメならこれがあると思えて、気が楽になった」と話してくれました。
これらのことから、HSP気質や共感疲労の多い人ほど、セルフケアのパターンや方法を多く持つことが重要です。なぜならバリエーション豊富に持つことで、1つの対処法が上手くいかなくても別の方法でケアできることが多くあるからです。
あなたもバリエーションが少ないのなら、増やす工夫をしてみてください。もし1人で厳しいようなら、スクール受講中の個別コンサル時等に相談するのもおすすめです。
共感疲労に陥ることなく、聴けるあなたになろう!
カウンセリング中にぐったり疲れていても、共感疲労に陥る理由を知り、対策を講じることで対処はできます。
当スクールに来るのはHSP気質の人や、寄り添いすぎてしまうやさしい性格の人も多く、共感疲労の相談もしばしば乗ってきました。
今回のブログで紹介したように、セルフケア方法を増やす、徹底する、境界線をしっかり持つなどの工夫で、疲れやすさを解消できています。
独学の方が安上がりと我流に行く人もいますが、カウンセラーとして中長期的に活動したいのならスクールで倫理や在り方、境界線などを学ぶ方が近道です。
当スクールでは体験セミナー&説明会にて、必要なスキルやカウンセラー養成の流れなども教えています。もしまだ本格的に心理学やカウンセリングスキルを学んでいないのなら、悩める人の力になるためにも、必要な知識やスキルを習得すべく、さいしょの一歩を歩みましょう。
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