カウンセラーは覚えておきたい。命の門番として大切な3つのこと

あなたは「命の門番(ゲートキーパー)」という言葉を聴いたことがありますか?ゲートキーパーとは、「自殺リスクのある人を早期発見し、阻止するための介入が可能な人材」のことです。

「自殺を減らしたい」「悩んでる同僚や友だちの力になりたい」など、カウンセラーを目指す人の中には、そんな思いもあるかもしれません。

私も小学生のとき、同級生に「なぜ生きないといけないの?」と言われたことがあります。

いじめがゲームのように蔓延っている学校に通っていたこと、当時の私は同居家族の介護・看病中だったこともあり、「そうだよね、生きるってつらいよね」と、何とも言えない気持ちでした。

そして今、深刻に悩んでいる人が増えていることを受け、700名以上相談実績がある心理カウンセラーかつカウンセラー養成所の運営者の立場から「ゲートキーパーの役割」や「未然に防ぐための3つの行動」についてお伝えします。

大事な人を守るためにも、適切な支援方法を学んでいきましょう。

 

ゲートキーパーとは?

いじめやセクハラ、ワンオペ育児や終わりの見えない介護など、生きづらさや孤独感を感じたことはありませんか?

おそらく誰もが一度くらい、思い切り落ち込んで途方に暮れた経験があることでしょう。身近な誰かに相談できればよいのですが、信頼できる人がそばにいない人、助けや相談を甘えと思って溜め込んでしまう人も少なくありません。

結果として精神的に危険な状態に陥ることもあります。うつ病や自殺念慮のリスクは誰もがあるからこそ、大事な人の命をつなぎとめるためにゲートキーパー(命の門番)への理解を深めることが大事です。

育児疲れ

では、具体的にゲートキーパーとは何を指すのでしょうか?

「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。引用元:厚生労働省

つまり、心の専門家であるカウンセラーやセラピストだけでなく、ご家族や友人、職場の同僚や上司なども、身近な誰かを守るためにゲートキーパーとして支援できます。

 

ゲートキーパーに求められる4つの役割

では、ゲートキーパーにはどのような役割が求められているのでしょうか?まずは、ご家族や友人などの身近な人の立場としての役割をお伝えします。

ゲートキーパーは「変化に気づく」「じっくりと耳を傾ける」「支援先につなげる」「温かく見守る」という4つの役割が期待されています引用元:厚生労働省

カウンセラーが現場での知見をもとに、具体例や注意点を踏まえて、くわしく解説しますね。

 

変化に気づく

1つ目が「変化に気づく」ことです。

・何日間も沈んでいる
・元気がない
・空元気に見える
・口数が減った
・外出や人付き合いが減った など

大事なあの人の様子がいつもと違う、なんとなく違和感がする場合など、ちょっとした変化が起こっていませんか?ひょっとしたら、心のSOSサインかもしれません。

 

じっくりと耳を傾ける

2つ目は「じっくりと耳を傾ける」ことです。

大事な人の元気がなかったり、くよくよ悩んでいたりすると、何とか良くなってほしい思いから、ついアドバイスしたり、「一緒頑張ろう!」と激励したりしていませんか?

実はアドバイスや激励などの行動はかえって逆効果です。

うつ状態に入っていると、頑張りたい意思はあるのに頑張ることができず、余計にストレスになることがあるからです。

また、悩んでいる本人は必ずしも「アドバイス」を求めて相談しているとは限りません。とくに終わりの見えない介護やこどもの発達障害のサポートなど、アドバイスされたからといって根本的な解決が難しいものだってあります。

まずは家族や友人などの立場から、本人の気持ちを尊重し、そっと耳を傾けましょう。

 

支援先につなげる

3つ目は「支援先につなげる」ことです。

悩みの度合いが中程度~重度な場合、うつ状態やうつ病のステージになっている場合もあります。精神疾患や精神医学への知見がないと、正確に判断するのが困難です。

餅は餅屋という言葉がありますように、精神的な悩みには「カウンセラー」や「医療機関」など、心の専門家に相談するように促しましょう

どこに相談したらいいか迷ったときには、まずはカウンセラーにつなぐのも手です。多くの場合、相談者の精神状況によっては医療機関への紹介も随時行っているからです。

 

温かく見守る

4つ目は「温かく見守る」ことです。

医療機関への相談を促しても、「これぐらい大丈夫だから」「放っておいて」と、なかなか行ってくれないこともあるかもしれません。つい心配な気持ちから、声を荒げてしまうひともいることでしょう。

けれども、悩んでいる本人もはじめての期間に通うことへの不安や緊張感がこみ上げていたり、葛藤していたりすることも少なくありません。

急かすことなく、本人の気持ちに寄り添ってあげてください。言葉を否定するよりも「これぐらい大丈夫だ、と思ってるんだね」と傾聴を心がけましょう。

じっくりと寄り添いながら話を聴くうちに、気持ちが落ち着いてきて本音を話し始めたり、支援先に行くことを決断してくれたり、少しずつ変化が起こってきます。

ハート

 

カウンセラーは覚えておきたい。未然に防ぐための3つの行動

つづいて、心の専門家を目指す方や初心者カウンセラーの方は、命の門番として大事な人の命を守るために大事な3つの行動を覚えましょう。

 

早めに声かけをする

1つ目は「早めに声かけをする」ことです。

自殺念慮や精神状態などをまだカミングアウトをされていない場合にも、次の状態なら、早めにサポートしましょう。

・うつ症状が続いている、あるいはうつ病が疑われる
・休職、遅刻や欠勤が増えてきた
・落ち込みや憂うつ感がここしばらく続いている
・食欲低下や不眠などの症状が出ている
・意欲の低下や行動範囲の狭まりを感じられる など

カウンセラーやセラピストなどの相談職として「つらいことや悩み」をくわしく聴いたり、「1人ではないですよ」「私もあなたの味方ですよ」と寄り添ったりしましょう。

本人の精神状態の悪化や精神疾患などが疑われるようなら、早期のサポートや声かけが肝心です。

うつの可能性を告げる

2つ目は「うつの可能性を告げる」ことです。

医師ではないので、カウンセラーやセラピストなどの相談職は、うつ病の断言や明言はできません。それでも、自殺のリスクを減らすためうつ病の可能性を告げることは可能です。

たとえば「ひょっとしたら、うつかもしれないから、心療内科を受診してみるのもおすすめしますが、いかがでしょうか?」などの質問のしかたなら、相談者に失礼ではありません

悩みが慢性化していると、だんだん人の感覚は鈍るので「これぐらい大したことない」「みんなこれぐらい耐えている」と、うつの自覚がないこともあります。

相談業の立場上、断言はできないので、さりげなく情報提供や医療機関との連携をはかりましょう。

 

死を連想する言葉がないかヒアリング

3つ目は「死を連想する言葉がないかヒアリング」することです。心理学用語で「自殺念慮」といいます。

相談中に「もう何もかも投げ出したい」「もう終わってもいい」など、死を連想する言葉が出てきてないか、慎重にカウンセリングしましょう。

死を想起する言葉があったら、早急に医療機関をすすめたほうがいいです。

実際に、私がカウンセリングをしていたときに、向精神薬の服用やうつ病との診断はまだ受けていない相談者がお見えでしたが、「食欲不振」「不眠(入眠困難、熟睡困難)」「気分の落ち込みの継続」などうつ病が疑われる事例もありました。

相談に乗る中で、ハラスメント被害でストレス過剰であることなどから、カウンセリングだけでなく、医療機関を活用する手があることを告げ、促したケースもあります。

カウンセラーだからといって1人で何とかしようとするのではなく、必要に応じて医療機関に連携をとるように心がけましょう。

握手

 

カウンセラーだからできる支援をしよう

今回は「カウンセラーは覚えておきたい。未然に防ぐための3つの行動」として、

・早めに声かけをする
・うつの可能性を告げる
・死を連想する言葉がないかヒアリング

などについて、お伝えしました。

心理学の知識や精神医学などの知識がまったくないと、大事な人から「生きる意味が分からない」「もうどうでもいいや」などと言われたとき、慌ててしまって、適切なサポートが難しいかもしれません。

でも、あなたが事前に必要な行動を知り、傾聴スキルや心理学の知見を習得していたら、悩みが悪化することなく、適切な言葉がけやサポートが可能です。

本当に役立つカウンセラーになれるよう必要な情報を知り、着実に身に付けていきましょう。

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こころの専門家はセーフティーネット。カウンセラーだからできる支援をしていきましょう。あなたのやさしい思いが、必要としている人に届くことで、周囲にたくさんの笑顔の花が咲きますように。

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心理カウンセラー田倉さとみ

心理カウンセラー田倉さとみ

エイド・カウンセラー協会 代表

いじめをきっかけにカウンセラーを目指すも、求人のなさ・集客に悩む。高額の経営塾等でビジネスを学ぶことで20代でひとり立ち。
しかし1馬力の限度も感じ、エイド・カウンセラー・スクールを開設。
ミッションはエイド・カウンセラー(仲間)を1,000人以上が増やすことを通じて、うつ病・自殺者が1,000人未満に減少させること。
心理歴15年、セミナー講師登壇120回以上、550名以上の臨床経験をもつ。
主なメディア出演はTBSテレビ、かわさきFMラジオ出演。著書「こころの予防医学」出版。

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