カウンセリングが上手い人の5つの特徴とは?上達する3つのコツ

「カウンセリングスキルに自信が持てない」「どうしたら上手くなれるのか?」と悩んでいませんか?

私も副業カウンセラーになりたてのころは、納得のいくカウンセリングが提供できずに悩ませていました。しかし適切な知識とスキルを身に付け、悩みを解消。心理本も出版し、現在は700名以上の実績を積み、起業9年目を迎えられています。

今回は「カウンセリングが上手い人の5つの特徴」と「うまくなるためのコツ」をご紹介します。適切な知識とスキルをつけ、自信をもってサービス提供できるようにステップアップしていきましょう。

 

カウンセリングが上手い人の特徴とは?

カウンセリングが上手い人にはどのような特徴があるのでしょうか?

700名以上のカウンセリング実績を積み、カウンセラー養成スクールを運営している代表講師の田倉が「5つの特徴」をご紹介します。1つずつ見ていきましょう。

 

1. 否定をしない(受容)

1つ目は「否定をしない」ことです。

相談に乗っていると「異なる考えや意見」「理解しがたい主張や思い」などを聴くこともあるでしょう。

・小さな子どもを預けて働くなんて、かわいそうだ。
・最近の若い連中は根性がないから、すぐ辞めるんだ。
・娘の不登校は私の育て方が悪いから。娘に申し訳ない…… など

攻撃的な主張や批判、自分責めや強烈な固定概念によるがんじがらめなど、思わず「相手にも考えがあるのでは?」「いや、かわいそうと決めつけるのは」と反論を言いたくなるかもしれません。

しかし主張するからには何らかの思いや考え、その主張に至る体験などがあります。まずは否定をせずに、相談者の話を丸ごと受容しましょう

「かわいそうと感じるのですね」
「根性がないと感じるのですね」
「お嬢さんに申し訳なさがあるのですね」

受容することで信頼が構築され、より深い話へとつなげていくことができますよ。

ハート

 

2. 共感的な姿勢(共感的理解)

2つ目は「共感的な姿勢」です。心理学では「共感的理解」とも言います。

よく似た言葉で「同感」「同意」がありますが、それらとの明確な違いを説明できますか?カウンセラーとして働くのなら、共感と同感、同意などとの違いを理解した上で、相談者に説明できるほどの理解が必要です。

同感は「同じように感じる」ことで、共感は「ともに感じる」ことです。一見似ていますが、アプローチや今後の話の展開は大きく異なります。

同感だと「わかります、申し訳なくなりますよね」「かわいそうですよね。○○ということもありますし~」などの言葉の伝え返しとなり、最悪会話を奪うことになりかねません。

対する共感なら、あくまでも相手が感じている感情に対し、理解を示します。なので、同じ意見や体験でなくても「○○さんはそう感じているのですね」と理解を示すことが可能です。

実際に、22歳からカウンセリングの仕事を始めた私ですが、当時は未婚、子なし、部下なしでしたが、悩み相談の中には「夫のモラハラ」「離婚」「子育て」「不登校」「育児鬱」「部下との関係」などもありました。

未経験の悩みに対しても「○○さんに相談してよかった」「気持ちが楽になった」と言われていたのは、「同感」ではなく「共感的理解」に努めたからです。

共感的な姿勢を身に付けることで、未経験のことであっても寄り添うことができ、喜ばれるようになりますよ。

 

3. 純粋性をもってきいている(自己一致)

3つ目は「純粋性をもってきいている」ことです。心理学では「自己一致」とも言います。

人間誰もが「固定概念」を持っています。家庭事情や兄弟構成、教育や仕事、交友関係や夫婦関係などによって培われたもので、年齢とともに「結婚=○○」「仕事=○○」などの概念が固まりやすいです。

「結婚=墓場、自由がない、我慢すべきもの、鍛錬」などとネガティブ感情を持つ人がいる一方で、「楽しい、自己成長、分かち合える、助け合える、幸福」などとポジティブな感情を持つ人もいます。

あなたの結婚生活が円滑で「結婚=楽しい、分かち合えるもの」と思っていても、モラハラやDVなどを受けている人からすると「しなければよかったもの」「墓場」などの意味合いを持つことさえあります。

正確に相談者の主張を聞き取るためには、自分の考えをいったん脇に置き、子どものような純粋性をもって話を聞かせていただくことが肝心なのです。

男の子

 

4. 指示・コントロールしようとしない

4つ目は「指示・コントロールしようとしない」ことです。

どのカウンセリングスクールに通っても、在り方として習う初歩的なことですが、良好な信頼関係を築くうえで欠かせない要素です。

ときに暴走する相談者や過激な相談者の主張に対して、「こうしたら?」「それよりもこの方法がありますが~」などの助言や指示などをしたいと感じるかもしれません。

しかし、こうあるべきを押しつけないことが肝心です。1人1人置かれている環境も、目指すべきゴールや幸せの基準も異なるからです。

不用意なアドバイス(助言)や指示は、反発や信頼関係の破壊につながることさえあります。カウンセリング上手で本当に寄り添いたいのなら、自分の考えはいったん押さえて、あるがままに聴きましょう。

 

5. 秘密をしっかり守る(守秘義務)

5つ目は「秘密をしっかり守る」ことです。

当たり前のことですが、カウンセリングで聴いた内容を第三者に漏らしてはいけません。なぜならカウンセラーには守秘義務があるからです。

実績を重ねると、著名人や芸能関係者がお越しになることもあるかもしれません。私もTV等で見聞きした人が来たことがありますが、守秘義務があるため絶対に氏名や内容等を開示しませんでした。

法人契約やスクールカウンセリング等には報告義務もあります。しかし秘密を守らないと「この人に話しても上司や先生に話が筒抜けになる」と思われ、信頼関係が揺らぎ、カウンセリングの続行ができません。

個人、法人ともに守秘義務の範囲や例外をしっかり理解した上で、提供していきましょう(なお、当スクールでは範囲や例外等も教えています)。

受け止める

 

カウンセリングが上手い人と下手な人との違い

カウンセリングを上達したいと考えているのなら、上手い人と下手な人の違いを知ることが第1歩です。ここでは3つの例を出しますので、押さえていきましょう。

 

1.わかると感じる内容のときの反応

1つ目は「わかると感じる内容のときの反応」です。

カウンセリング中に「わかる!」「そうだよね」と思わず言いたくなるような話も出てくることでしょう。

・上司が一方的に決めつけてくる
・月曜日の朝が憂うつで、起きたくない
・夫がリビングで寝て起こすのがめんどくさい など

仕事や夫婦関係等でのあるあるエピソードには、とっさに同僚や主婦仲間との会話のように「わかる」と言いたくなりがちです。

しかし同僚や夫婦仲間の時間は「お互い」の時間ですが、カウンセリングは誰の時間でしょうか?クライエント(相談者)の時間ですよね?

だからこそ自分の話をするのではなく、話を聴かせていただくのです。

カウンセリング下手な人は日常との区別ができずに「わかる」「そうだよね」と返答しますが、カウンセリングが上手い人はしっかり区別し「○○と感じるのですね」「○○でお困りなのですね」と返答します。

カウンセリング上手になりたいのなら、誰の時間であるかを自覚し、共感に努めましょう。

 

2.理解を示す言葉のチョイス

2つ目は「理解を示す言葉のチョイス」です。

カウンセリングが下手な人は、安易に「なるほど」との言葉を使用します。しかし、「なるほど」は本来上司が部下に対して行う返答で、上から目線ととられることがあるためです。

丁寧語として「なるほどですね」「なるほどです」などとしても、上から目線の先頭に変わりありません。年下の相談者相手であっても、対等関係であるべきカウンセリング中には避けるべきでしょう。

一方で、カウンセリングが上手い人は「○○と感じるのですね」「悲しいのですね(苦しいのですね)」など、言葉を適切に伝え返します。

「すいません(すみません)」「なるほど」など便利な言葉ですが、カウンセリング中は意思疎通を円滑にするためにも、良好な関係を構築するためにも、本来の言葉で理解を示すようにしましょう。

 

3.どうしたらいいですか?と聞かれたときの反応

3つ目は「どうしたらいいですか?と聞かれたときの反応」です。

カウンセリングをしていると「夫が話を聴いてくれないんですが、どうしたらいいですか?」「不登校の娘になんて声をかけたらいいですか?」などの質問はしばしば受けることでしょう。

カウンセリングが下手な人は、安易に助言や指示をします。しかし、カウンセリングが上手い人は助言や指示ではなく、「相談者の意見や考えを聴く」のです。

なぜならカウンセリングには、やがて卒業の日が来るからです。答えるのは簡単なことですが、つねに答えてばかりいたらどうなるでしょうか?

考えることを放棄し、カウンセラーに依存し始めます。そして自分で決定をしていないため、上手くいかないときに言い訳や責任転嫁が発生し、「先生の言うとおりにしたのに!」と責められる日も来るかもしれません。

カウンセリングに来るのはダメな人ではありません。一時的に精神状態が不安定かもしれませんが、ともに物事を見つめることで自ら考え、ふたたび行動し始めることができる人です。

答えが出るのに時間がかかったとしても、相談者の可能性を信じ、向き合えるように支えるのがカウンセリング上手の人と言えるでしょう。

 

カウンセリングが上手くなるための3つのコツ

もっとカウンセリングが上手くなるために、注意したほうがいいことが3つあります。ここで3つのコツを押さえていきましょう。

 

1. 基本的なカウンセラーの在り方を知る

1つ目は「基本的なカウンセラーの在り方を知る」ことです。

当スクールでは当然ながら、傾聴の概念、カウンセリングの始め方、流れ、スキルなども教えますが、同時に「在り方」も教えます。なぜならスキルだけを磨いても、在り方が身につかないことには芯に寄り添った対応ができないからです。

うわべだけ「つらいですね」と言われても、薄ら笑いされていたら寄り添っているように感じないでしょう。

「大変ですね」と口では言っていても、目線がいっこうに合わずに、腕組しているカウンセラーには心の内まで打ち明けたい気持ちになりづらいものです。

信頼されるカウンセラーになれるように、心理スクールのカリキュラムで「在り方」が学べる学校を選びましょう(通信制だとカリキュラムにないところもあるので要注意!)。

秘書

 

2. 傾聴やカウンセリングスキルのトレーニングを受ける

2つ目は「傾聴やカウンセリングスキルのトレーニングを受ける」ことです。

いくら勉強を重ねていても、インプットだけではスキルはつきません。必ずアウトプット(練習、ロープレ)をセットで行いましょう。

通信制だと、座学だけでロープレがない学校もあります。しかし実際に場数をこなしていかないとスキルは身につきません。

学校を選ぶポイントとして「ロープレがあること」を1つの基準にしましょう。

なかにはロープレがあるものの「講師のフィードバックがない」「10~20分のショートロープレしかない」学校もあるため、注意が必要です。

なぜなら20分までのショートカウンセリングしかしていない人が、いきなり主流の50分のフルカウンセリングをやろうとすると、時間配分の取り方がうまくいかない、場面構成ができない、などの失敗に至ることが多いからです。

だから当スクールの実技では、1人当たり40分以上のロープレを、最低3回以上実施し、最初から最後までの流れを身をもって覚え、できるように促しています。

イメージトレーニングをしても、相談者があなたの想像通りに話を展開する確率はとても低いです。リアルな人と練習をし、経験豊富な講師の意見をもとに修正して、ブラッシュアップしましょう。

 

3. カウンセラーの倫理や規約を理解する

3つ目は「カウンセラーの倫理や規約を理解する」ことです。

倫理や規約は、相談者とのトラブルを防止したり、円滑なカウンセリングを提供したりするうえで欠かせない要素です。だからこそ、当スクールでは初級カウンセラー養成講座の座学内で教えている内容です。

しかし別の心理スクール卒業後に、当スクールを受け直したある受講生が「規約や倫理ってなに?」と発言し、衝撃を受けたことがあります。

通信制だと安価にカウンセラー資格を取れる学校も多いですが、倫理や規約を教えていない学校もあるようです。

当然ながら、教わっていないと実践することもできないため、いらぬトラブルに発展するリスクが高まります。

さまざまな趣旨の学校がありますが、倫理や規約を学べる学校で、カウンセリングにおける具体事例まで教えてくる学校を選ぶことをおすすめします(現場で取り入れる方法まで教えないと、実践できないからです。当スクールでは教えています)。

心理本

 

知識とスキルをつけてカウンセリング上手になろう

今のあなたがカウンセリングを始めたばかりで、上手くできないと悩んでいても大丈夫です!上手い人の特徴を押さえ、3つのポイントを取り入れていくことで、誰もが上達します。

当スクールは学び直しの受講生もいますが、9割が心理学も、傾聴も、お金をもらって相談に乗るのも初めての方ばかりです。

しかし座学で習うカウンセリングの流れや在り方、基本的なスキルや規約などを覚え、全3回のロープレを終えるころには「話聞いてくれてありがとうと喜ばれました」と報告が来たり、悩める同僚や新規の相談者の力になれたりなど、変化の報告をいただくことも多いです。

この経験から、知識とスキルをセットで身に付けることで、誰もがカウンセリング上手になれると私は信じています。

当スクールでは体験セミナー&説明会にて、必要なスキルやカウンセラー養成の流れなども教えています。もしまだ本格的に心理学やカウンセリングスキルを学んでいないのなら、悩める人の力になるためにも、さいしょの一歩を踏み出しましょう。


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心理カウンセラー田倉さとみ

心理カウンセラー田倉さとみ

エイド・カウンセラー協会 代表

いじめをきっかけにカウンセラーを目指すも、求人のなさ・集客に悩む。高額の経営塾等でビジネスを学ぶことで20代でひとり立ち。
しかし1馬力の限度も感じ、エイド・カウンセラー・スクールを開設。
ミッションはエイド・カウンセラー(仲間)を1,000人以上が増やすことを通じて、うつ病・自殺者が1,000人未満に減少させること。
心理歴15年、セミナー講師登壇120回以上、550名以上の臨床経験をもつ。
主なメディア出演はTBSテレビ、かわさきFMラジオ出演。著書「こころの予防医学」出版。

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