なぜ傾聴では言葉を繰り返すのか?3つの意味とデメリットへの対処法

傾聴しようとクライエントの言葉を繰り返したのに「馬鹿にしているのか?」と怪訝そうにされた経験はありませんか?

もし相談者の言葉を繰り返してネガティブな反応が返ってきたのなら、傾聴の基礎を理解していないのが原因かもしれません。

今回は心理カウンセリング提供13年目&カウンセラー養成スクール運営の代表カウンセラーが「傾聴で繰り返す意味」や「むやみに繰り返すデメリット」、「デメリットへの対処方法」を紹介します。

傾聴の基礎知識を理解し、「聴いてくれてありがとう」と喜ばれる副業カウンセラーになりましょう。

 

傾聴中にクライエントの言葉を繰り返す理由

なぜカウンセリングではクライエントの言葉を繰り返すのか、ご存じですか?もしサクッと答えが出てこないのなら、ここで基本を押さえましょう。

ここでは傾聴で繰り返す3つの理由について解説します。

 

1. 聴いていることを伝えるため

1つ目は「聴いていることを伝えるため」です。

あなたは会話をしているときに、ノーリアクション(無反応)の人と「そうなんだね」「上司のことで悩んでいるんだね」と反応を返してくれる人、どちらの方が聴いてくれていると感じますか?

多くの人が後者のあいづちや伝え返しをしてくれる人でしょう。なぜなら言葉を繰り返すことで「ちゃんと聞いてくれている」のが伝わるからです。

相談者は、不安や恐怖心などを抱えてお越しになります。ときには何に悩んでいるのかも不明確で混乱しながら話していることもあるでしょう。

傾聴ではあいづちやアイコンタクトなどの基本的なかかわりをしますが、それだけでは「ちゃんと聞いてくれている?」と不信感を抱かれたり、「もしかして私の話ってめんどくさい?」とネガティブに受け取られたりすることもあります。

だからこそ非言語的コミュニケーションだけでなく、傾聴では言葉を繰り返すことが重要です。ちゃんと聴いてもらえている安心感から、相談者は話すことができます。

 

2. 話の骨を折らないため

2つ目は「話の骨を折らない」ためです。

悩みや価値観は、十人十色です。ときには一般常識から逸脱するような悩みや現状、要望が飛び出すことだって少なくありません。

ときに訊き返したくなる発言や否定や先入観から否定したくなる言動も出てくることがあるかもしません。しかし、途中で「なんで?」と遮ったり、考えを否定したりすれば、相談者は安心して話せなくなります。

これまで700件以上相談に乗る中で、夫婦関係の悩みの終着点として、妻公認の恋人を作ることを決めるケースや愛し合っている夫婦だけど自由恋愛を設けるケースなどもありました。

常識的に考えれば「良くない」「不倫では?」と言いたくなるかもしれません。あるいは「なんでそんなことをするんですか?」と追及したくなることもあるでしょう。

しかしカウンセラーは相談者の親でも、上司でもありません。そしてカウンセリングは秘密が保持されて、誰もが安心安全に話せる場です。

だからこそカウンセラーは否定や先入観で話を折らず、「そうなんですね」「自由な関係を築くのですね」と、言葉を繰り返します。

 

3. 共感的な態度を示すため

ハート

3つ目は「共感的な態度を示すため」です。

夫婦関係や親子関係など、クローズドな場での悩みはときに深く、びっくりする悩みも多々あります。

言いづらい悩みほど相談者は「言っても大丈夫かな?否定されないかな?」と、おっかなびっくり話し始めることもあるでしょう。

ここでは何を話しても大丈夫だと伝える意味も込め、カウンセラーはやさしく微笑んだり、うんうんとうなづいたりしながら「つらいんですね」「居づらいんですね」など、言葉を繰り返して聴きます。

短い言葉であっても、共感的な態度は伝わります。やがて緊張の糸もほぐれ、より核心に迫る内容へと入っていけるのです。言葉の繰り返しは、クライエント(相談者)に共感的な態度を伝えられますよ。

 

クライエントが不機嫌になる原因とは?言葉を繰り返すデメリット

言葉の繰り返しは、本来ならスムーズなカウンセリングを促します。

しかし繰り返し方を誤ると「機械的だ」と感じて不愉快になったり、「ちゃんと聴いてくれていない(馬鹿にされている)」と感じさせたり、ネガティブな展開を招きかねません。

ここでは「言葉の繰り返しでクライエントが不機嫌になる原因」をお伝えします。

 

1. 感情を込めていないから

素肌

1つ目は「感情を込めていないから」です。

傾聴をするときに、心を込めて聴いていますか?傾聴とは、全身を相手に傾け、目で見て、耳で聞き、心で感じる行為です。

当然ながら、「そうなんですね」という言葉も、悲しい話のときには声のトーンを落とし「そうなんですね……」と間を置いたり、怒りや恨みなどの感情のときに「そうなんですね!」と短く返したりなど、非言語的コミュニケーションの部分を変えていきます。

しかしすべての言葉に対して淡々と「そうなんですね」と返していれば「この人ちゃんと聴いてくれている?」と不安や不信感さえ感じるかもしれません。

 

2. 傾聴パターンにあてはめて聴いているだけだから

2つ目は「傾聴パターンにあてはめて聴いているだけだから」です。

傾聴は誰でもできる基礎的な技法の組合せですが、テクニックにばかり走るとクライエントは「ちゃんと聴いてくれていない」と感じることもあります。

相談に来ている相手は「人」です。マニュアルを覚えることも大事ですが、感情を込めて臨機応変な対応も大事です。

パターンにあてはめて聴くだけでは、まるで機械のような傾聴になり、相談者の怒りを買うことも出てくるでしょう。

 

3.繰り返しが多すぎるから

オウム返し

3つ目は「繰り返しが多すぎるから」です。

例を出しましょう。

クライエント(相談者):上司が一方的でひどいんです。
カウンセラー:上司が一方的でひどいんですね。

クライエント(相談者):そうです!いつも横暴で、こっちの話は聞かずに決めつけるんです。
カウンセラー:いつも横暴で、こっちの話は聞かずに決めつけるんですね。

クライエント(相談者):…はい。だんだんやる気が出なくって、仕事に行くのが憂うつなんです。
カウンセラー:だんだんやる気が出なくって、仕事に行くのが憂うつなんですね。

はい。そろそろもやっと感じませんか?

このように繰り返しが多すぎると、オウム返しの割合が多すぎてだんだんとクライエントが話しにくくなったり、「本当に聴いてくれている?」と不安になったりします。

 

効果的な傾聴をするため3つの対処法

では、繰り返しでネガティブな感情を抱かれないために、どのような対策をとればいいのでしょうか?

ここでは今日からできる3つの対処法をご紹介します。

 

1. キーワードを拾って伝え返す

キーワードの伝え返し

1つ目は「キーワードを拾って伝え返す」方法です。

文章全体をオウム返しすると、機械的だと感じたり、本当に聞いているのか疑われたりします。

クライエントが話される内容の中で重要な言葉やキーワードだけを拾い、伝え返しましょう。

例を出しましょう。

クライエント(相談者):上司が一方的でひどいんです。
カウンセラー:上司が一方的なんですね。

クライエント(相談者):そうです!いつも横暴で、こっちの話は聞かずに決めつけるんです。
カウンセラー:聞かずに決めつける。

クライエント(相談者):…はい。だんだんやる気が出なくって、仕事に行くのが憂うつなんです。
カウンセラー:仕事に行くのが憂うつなんですね。

このように重要な事実や感情を伝え返すことで、しつこくなりすぎず、そっと寄り添って傾聴することができます。

 

2. 質問も織り交ぜる

2つ目は「質問も織り交ぜる」方法です。

重要な感情や事実をベースにキーワードだけ繰り返すやり方は、初心者カウンセラーでも実践しやすい内容です。しかし、それでもリズムが単調で、しっかり寄り添うところまで到達するのは難しいでしょう。

そこで、質問を織り交ぜて話を広げたり、状況を特定したりしましょう。

例を出しましょう。

クライエント(相談者):上司が一方的でひどいんです。
カウンセラー:上司が一方的なんですね。

クライエント(相談者):そうです!いつも横暴で、こっちの話は聞かずに決めつけるんです。
カウンセラー:聞かずに決めつけるんですね。例えばどんなときにそう感じますか?

クライエント(相談者):仕事をミスしたときです。あ、それ以外にも質問したいときとかもそうかも。 見りゃわかるだろって聞く前から言ってくるし。
カウンセラー:ミスしたときや質問したいときなどに決めつけていると感じるんですね。

どうですか?1つ質問を含ませるだけでも、クライエントの状況の理解度が増し、クライエントも「聴いてくれている」と感じやすくなったことでしょう。

実際のカウンセリングでは、適宜質問をしていきます。

 

3. ノンバーバル(非言語)情報にも気を配る

3つ目は「ノンバーバル(非言語)情報にも気を配る」です。

いくら口先で「そうなんですね」と言っていても、内容にかかわらず声のトーンが単調で、あいづちや間の取り方も同じでは、本当に心を傾けて聴いているのが伝わりません。

心理系スクールに通っていたのであれば、非言語的コミュニケーション(ノンバーバル情報)の箇所や基本的な傾聴技法の箇所で習っている部分です。今一度、復習をしましょう。

もしわかっているけれどできないのなら、ロープレの実技の時間を活用することが肝心です。

実際に当スクールでは、ロープレに力を入れています。各スクール生が60分間マンツーマンでロープレをし、経験豊富な講師からフィードバックを受けることで着実に寄り添うスキルを習得できるからです。

実際にカウンセリング初心者の受講生も多いですが、3か月目(ロープレ60分×3回=180分)を終えるころには、一人前に傾聴ができるようになっています。

ぜひ実技のある学校で、傾聴スキルを定着させてください。「わかる」を「できる」へと変えることで「この人、聴いてくれている」と感じてくれるでしょう。

 

喜ばれる傾聴スキルをつけたいなら基礎傾聴スキルを習得しよう

傾聴しようと言葉を繰り返しているのに、裏目に出ているのなら、「感情を込めて聴いていない」「傾聴パターンにあてはめて聴いているだけ」「繰り返しが多すぎる」のいずれかにあてはまっていないか確かめてください。

相談にお越しになるのは、感情を持った人間です。だからこそ内容に合わせてノンバーバル情報を変えて傾聴したり、重要なキーワードだけ伝え返したりしましょう

適宜質問をすることで、内容を深めていくこともできます。もしわかっているけれどできないのなら、きちんとフィードバック環境の整った心理スクールでの学び直しをおすすめします。

たとえ今できなくても、経験豊富な講師からじっくりマンツーマンでフィードバックをもらうことで、NGポイントの改善方法がわかり、3か月もあれば基本的な傾聴ができるまでに成長します。

今やインターネット上には小手先のテクニック情報が溢れていますが、副業や起業カウンセラーを目指すなら実技のある学校で確かなスキルを身に付けることが肝心です。

当スクールでは「在り方」と「5つの基礎的な傾聴スキル」など基礎的な技法を学びつつ、3か月間しっかりとロープレやわからない部分の質問できる環境をご用意しています。

「悩んでいる人の力になりたい」「傾聴力を高めたい」という方は、まずは体験セミナーで詳細と相性をお確かめになることをおすすめします。

独学では傾聴スキル習得まで時間がかかりますが、カウンセリング経験豊富な講師から教わることで、かえって時短になりますよ。

あなたが確かなスキルを身に付けることで、疲れることなく相談に乗り続け、困っている相談者の力になりましょう。

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心理カウンセラー田倉さとみ

心理カウンセラー田倉さとみ

エイド・カウンセラー協会 代表

いじめをきっかけにカウンセラーを目指すも、求人のなさ・集客に悩む。高額の経営塾等でビジネスを学ぶことで20代でひとり立ち。
しかし1馬力の限度も感じ、エイド・カウンセラー・スクールを開設。
ミッションはエイド・カウンセラー(仲間)を1,000人以上が増やすことを通じて、うつ病・自殺者が1,000人未満に減少させること。
心理歴15年、セミナー講師登壇120回以上、550名以上の臨床経験をもつ。
主なメディア出演はTBSテレビ、かわさきFMラジオ出演。著書「こころの予防医学」出版。

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