「今すぐ会社に辞めたい」「脱サラしたい」と思っているけれど、失敗が怖くて踏みとどまっていませんか?身近に起業失敗した人がいると、余計に心配になると思います。
けれど、脱サラ失敗する原因は、能力不足ではありません。もっとも多いのが「準備不足」です。この記事では、副業を経て起業して6年、副業カウンセラー養成スクールを運営している講師が「失敗しない7つの方法」をご紹介。
脱サラして終わりではなく、起業後に潜むリスクもあります。そこで、「脱サラ後の注意点」も併せてお伝えします。事前に情報を仕入れて、起業成功させましょう。
脱サラ手段で迷ってる人は、「脱サラしやすい副業5選はコレだ!選ぶべき理由と失敗しないための注意点」をご覧ください。
目次
脱サラで失敗しない7つの方法
脱サラに成功し、起業するために、まずは「失敗しないための方法」を押さえることが肝心です。ここでは7つの方法をご紹介します。
1.計画を入念に練る
1つ目は「計画を入念に練る」ことです。
カウンセラーを目指す大多数が「困っている人の役に立ちたい」「話を聞くことで楽になる手伝いをしたい」という素敵な思いを持っています。
しかし脱サラ失敗する人は、「こうなったらいいな」というぼんやりした目標のみで、計画案にまで落とし込みができず、実現できないです。あなたの思いを実現させたいのなら、ぜひとも具体化させ、計画を入念に作りましょう。
ポイントは「こうしたい」いう希望的観測で作るのではなく、事業計画書のように具体的なプランに落とし込むことです。
【具体的なプランに必要となるエッセンス】
・誰に
・どのような方法で
・どこで
・何を
・いつ
・いくらで提供するのか
仮にあなたの目標金額が月20万円だとします。
1カウンセリング2,000円でリピートなしで提供するなら、月に100名の集客が必要です。けれど、1カウンセリング2万円で、1人当たり月2回で提供するなら、1人当たり4万円。月に5人の集客で済みます。
さいしょは計画書のイメージすらできず、作るのは至難の業でしょう。なぜなら会社員の仕事では経験がなく、想像できないからです。
スクール生もさいしょのうちは「販売手段」や「集客ルート」、「ターゲット選定」など「わからない」を連呼するのが当たり前です。
だからこそ、個別面談の時間を必ずつくり、やりたい方向性や持っているスキルをヒアリング。単に稼ぐだけでなく、本当に望む形でカウンセリングできるように、講師の知識や経験をもとにアドバイスしたり、行動プラン案をお伝えしたりしています。
加えて、スクール内では目標を具体的に落とし込む「心理学を使ったワーク」もご用意。「誰に提供したいのかが決まった」「先生のフィードバックで、気づいていないつよみに気づけた」などの声も多く、夢物語で終わらせない工夫を凝らしています。
計画が9割という言葉もあるように、さいしょにしっかりと計画に落とし込む作業も大事です。希望的な観測で計画を立てても、ハプニングはつきもの。最悪のケースも想定して計画書を練りましょう。
◆脱サラして起業したいのなら、新規集客だけでなくリピートを得る計画を建てましょう。
ザル経営から、ボウル型の経営となり、安定しやすくなります。
では、具体的に何をすべきか?その辺りを下記でまとめています。
リピート率を上げるには?見落としがちな4つの原因と改善させる方法
2.トレンド/社会的ニーズに合う仕事を選択する
2つ目は「トレンドや社会的ニーズに合う仕事を選択すること」です。
あなたが「やりたい」と思う仕事であっても、ニーズがない仕事ではお客様が付きません。お客様が0では、売上も0となり、食べていくことができないでしょう。
あまりにもニッチすぎる悩みだと母数が少なすぎて、来てもらえない恐れがあります。けれど、「育児」「キャリア」「恋愛」など、悩んでる方が多い悩みであれば、社会的なニーズも多く、きちんとビジネスを学べば来てもらえるでしょう。
一方で、抽象度が高すぎたり、訴求内容がわかりづらかったりする人も、脱サラ失敗しやすいです。
加えて、戦時中の世の中だったなら、睡眠のサービスはそれほど需要がなく、収入にならなかった可能性もあります。このように「時代ニーズ」「トレンド」を押さえていくことは、しっかり売り上げを立てるうえで欠かせないエッセンス。
これから脱サラ起業をするなら、サービスや商品は「社会的なニーズ」を踏まえて選ぶべきです。
3.クラウドソーシングに頼らない
3つ目は「クラウドソーシングに頼らないこと」です。
クラウドソーシングでは、つねに案件があります。しかしニーズのあるものは争奪戦。特に立候補する形式は、適正な報酬価格だと10~50人の取り合いになることも少なくありません。
新たにクラウドソーシングに参入した新人は、そのサイト内での実績は0の状態。仕事にありつくのは至難の業でしょう。
さらにクラウドソーシングは、相場が安いです。薄利多売で、疲弊してしまうフリーランスも少なくありません。
クラウドソーシングありきではなく、SNS集客やブログ集客なども視野に入れましょう。
※クラウドソーシングがNGの話については「副業カウンセラーで稼ぎたいならクラウドソーシングはNG?」の記事にくわしく書いています。
4.副業から起業へとステップアップさせる
4つ目は、「副業から起業へとステップアップさせること」です。
「今すぐ辞めたい」「今の会社ではもうやっていけない」との気持ちから、衝動的に退職届を出すと後悔します。なぜなら、軌道に乗るまでには一定の時間がかかるからです。
最初からコネ・人脈が十分にある人なんて、ほぼいません。集客やマーケティングスキルもプロとして通用するレベルで備わっている人は少ないでしょう。
それなのに、勢いでいきなり起業したら、どうなるでしょうか?
1年もしないうちに、資金が尽きて会社員に逆戻りになるのです。そうならないためにも、副業時代に「稼ぐ力」をつけて、最低でも月10万円は稼げるようになってから辞めるのをおすすめします。
一般的に、「企業存続率は1年で73%、5年で42%、10年で26%程度」と言われています引用元:中小企業白書の企業存続率(生存率)2006
つまり、10人が脱サラ&起業したら、うち3人が1年以内に、5年で6人が、10年で8人が失敗してサラリーマンに逆戻りとなる計算です。
実際に副業含め11年、起業して今年で7年目ですが、感覚として正しいと感じます。
生活リズムを整えきれずに戻った人、資金がショートして戻った人、思ったよりも孤独で戻った人。稼げない以外にも複数の要因があり、会社員に戻る人たちを知っています。
会社を辞めるのはいつでもできます。けれど、「今すぐ辞めたい」と退職しても、副業などでビジネススキルがついていないと稼げません。資金が日を追うごとに減っていき、だんだんと不安、恐怖が押し寄せてきます。
縁あって読んでくださっている読者さんには、同じ二の舞を踏んでほしくありません。いきなり脱サラ起業ではなく、副業で月10万円安定的に稼ぐ力を育んでから、脱サラに挑みましょう。
5.メンターの力を借りる
5つ目は「メンターの力を借りる」ことです。
お金を惜しんで「我流でやろう」「独学で学ぼう」としても、断片的にしか学べずに、結果が出るまでに時間を要します。
私も副業したばかりのころは、本や安価なセミナーばかりを受けて、実践の部分は自分でやることも多かったです。けれど「この場合はどうしたらいいの?」と悩むことも少なくありませんでした。
セミナーに参加して知識は増えても、「スキル」として身についていなかったからです。
4~5年ほど奮闘しましたが、思ったほどの結果は出ず、目標の起業日までに達成できませんでした。どんどん日だけが過ぎる現状に「このままじゃいやだ!」と心を決め、高額経営塾へ。
包括的にビジネスを学んだことで、少しずつリピートが改善。経営塾で学んでわずか数か月で、独立起業できたのです。
この経験から「その分野の専門家に教えてもらうのが効率的で、最短ルート」だと学べました。なぜなら無駄にした時間は戻ってこないからです。
まとまった資金を数十万円ほどかけてでも、ビジネススクールや経営塾等でメンターの力を借りたほうが、脱サラまでの道のりは短縮できます。なぜなら「わかる」と「できる」は別物であり、スキルを習得するには指導者から教えを乞うのが近道だからです。
まだ経験値の少ないビギナー目線で「これを身につければいいはず」と思っていても、それは氷山の一角にすぎません。
実際にカウンセラー起業を目指すスクール生からの質問のなかにも、今それを知るよりも「これを学ぶべき」というものも多いのです。
ただし、身に着けるべきスキルは業種や時代によっても異なるため、SEなら活躍しているSEに。秘書代行がしたいなら秘書代行業に。カウンセラーで独立起業を考えているなら、カウンセラーに学びましょう。
※なお、失敗しないビジネススクールの選び方については、「副業・起業したい人必見!ビジネススキルを勉強できる3つの場所」をご覧ください。
6.生活防衛費を1年分用意する
6つ目は「生活防衛費を1年分用意すること」です。
脱サラし、いざ起業すると、想定外の出費が必要になることも。たとえば私のケースでは、人脈拡大した結果、取引企業の多店舗展開に伴うお祝い金、取引企業のイベント出席など、交際費が急拡大したこともあります。
1年分と言われると大げさに思うかもしれないが、付き合っている層がサラリーマン(会社員)から、経営者・起業家に移行すると、利用するお店も変わります。
起業したての頃は1杯200~300円のコーヒーを利用していましたが、ある時指定されたホテルでのアポでは1杯1000円~!びっくりでした。ビジネスの意見交換兼ディナーを兼ねたアポも、お友達との夕食代と同程度の3,000円程度で考えていたら、ディナー代で1人当たり1万円したこともあります。
経営者と付き合うようになるなら、交際費は増幅します。とくに人脈開拓する人は、生活防衛費として最低1年分はあったほうがあとさき楽になりますよ。(余談ですが、2~3年目にはお茶代で1,000円は普通の感覚に変わります^^;)
7.複数の収入源を持つ
7つ目が「複数の収入源を持つこと」です。
1点集中こそが成果が出る、と世の中では言われています。けれども、ビジネスにおいては複数の収入源を確保し、リスクヘッジしたほうが安定収益化できます。
そう主張するにはワケがあります。
カウンセリング収入のアップダウンに悩まされ、一時法人カウンセリングや研修に重点を置き、法人取引が大部分を占めていたときもあります。けれど、西日本集中豪雨の影響で、当時の取引先が大打撃を受けてしまい、取引は縮小し、のちに打ち切りに。収入が7割減となり、最終的には9割カット。預金が尽きないか、外注先に支払いができるか、怖くて仕方なかったです。
このように、1点集中だと、取引の打ち切りや取引企業の倒産で、来月・再来月から報酬が0になるリスクも自営業ならありうるのです。
私は過去の経験から、カウンセリング、スクール運営、講師、ライター、オンライン教材など複数の収入源をつくり、つねにリスクヘッジをしています。
1つのみに依存するのは、とても危険です。複数社と取引したり、複数の人にサービス提供したり、横展開したりなど、複数の収入源を確保しましょう。
脱サラしたあとの4つの注意点と対策
脱サラに成功したら、そこで万々歳でしょうか?実際には、脱サラ成功したあとにも、4つ注意しておくべきことがあります。
知らないと将来設計にも影響を及ぼし、「そんなデメリットがあるなんて……」と嘆く羽目になるかもしれません。けれど、ご安心を!事前に知っていれば、対策がとれます。
ここでは4つの注意すべき点と対策をご紹介します。
1.国民年金・国民健康保険料の費用
1つ目は「国民年金・国民健康保険料の費用」です。
会社員のときは自動的に天引きされるため、意識しない方が多いでしょう。しかし脱サラして起業すると、自ら納めなくてはなりません。
およそ国民健康保険+国民年金で月3万円程度です。ただし年度、前年の収入等によっても金額は変動するため、あくまでも目安にしてください。
忘れがちな国保・国民年金ですが、納めるべき金額は少なくありません。見落として未払いでいると、自宅まで事務員が「徴収」に来るため、注意がいります。
対策はずばり、事前に納めるべき月額費用があることを理解し、事前に用意しておくことです。急に請求が来るとびっくりしますが、覚悟ができていれば家賃同様に、支払えばいいだけだからです。
2.前年の収入に対して取られる住民税
2つ目は「前年の収入に対して取られる住民税」です。
会社員時代の収入に対して、住民税が課せられます。したがって、年収が300万未満の人と、年収が700万円の人とでは、納めるべき金額が大きく変動します。
ポイントは「現時点」での収入ではなく、前年度の収入に対してかかる点です。結構まとまった費用がとられるので、起業初期でビジネスが軌道に乗っていないときには、ぎょっとするかもしれません。
対策は「用意する」につきます。けれど、金額によっては支払いが困難な人もいるでしょう。支払いが厳しい人は、ひとまず「役所」へ連絡してください。分納の相談が可能です。
また「次年度の免除申請」も併せて行いましょう。収入に応じて全免除(4/4)もあれば、1/4免除など、段階があります。
申請自体は無料でできるので、まずは役所で相談するのをおすすめします。
3.マネジメント力がないと時間が無駄に過ぎる
3つ目は「マネジメント力がなく、時間が無駄に過ぎる」ことです。
脱サラすると、24時間365日自由に時間を使えます。誰にも指示されない気軽さから、夏休み感覚でぐーたらしてしまい、業績不振に陥る人も一定数居ます。
当たり前のことですが、何もせずに収入が安定的に入ってくることはありません。集客やマーケティング、サービス提供など、有意義に時間を使わないと収入に結びつかないからです。
対策としては、脱サラ前の副業時代に、「タイムマネジメント」「優先順位」「自分を律する力」を身に着けることです。時間を制す人は、未来を制します。
・何を今行うべきか
・無駄な時間を過ごしていないか
・行うべきタスクは何%こなせているのか など
とはいえ、いきなり時間が自由になると、どう過ごせばいいのかわからずに、時間を有効活用できない人も多いです。
私も起業したばかりのころは、タスクがうまくこなせずに、効率化するために試行錯誤でした。延べ19冊の振り返りノートの末に、「適切な1日のタスク数」「自分を律する方法」などを見出して、毎日着実にタスクが片付くように。
私が毎日実践している「タスク管理術」や「自己管理法」などは、スクール生にもレクチャー。「時間がないと思ったけど、意外とあった」「この時間を使えばいいんだ」「タスク化ってこうやるんだ!」など再発見も多いようで、スクール生の時間の有効化を促しています。
すぐにタイムマネジメントや自分を律する力を身に着けることはできません。まずは副業時代から少しずつ、自己管理、時間管理に慣れましょう。
4.ローンや賃貸の審査が通りにくい
4つ目は「ローンや賃貸の審査が通りにくい」ことです。
会社員と比較すると、個人事業主・経営者は、賃貸契約を結んだり、ローンを組んだりするのに苦労します。なぜなら会社員のように毎月決まった収入が入るとは限らないからです。
社会的な信頼度は、会社員と比べると、個人事業主も経営者もとても低いです。起業初期は、業績や売り上げが少ない方も多く、いざ引っ越ししようと物件を探しても、貸してもらえない恐れがあります。
私の場合、副業時代に一人暮らしへの引っ越しをしたため、審査が通過しました。「会社員」であったためです。しかし次の引っ越しはすでに起業し、出版やTBS出演などの成果も出ていましたが、不動産会社からは「厳しいかもしれない」と指摘されました。
対策として2つあります。
1つは、「脱サラ前に住まいを変えること」です。勤務年数が長ければ、有給休暇もたくさん余っていることでしょう。まだ会社に席があるうちに賃貸契約を済ませ、引っ越すことをおすすめします。ローンに関しても、在籍中にすませましょう。
もう1つは「追加資料で審査通過を狙うこと」です。すでに退職済みなら、「連帯保証人+保証会社の利用+預金」などの合わせ技で審査の通過を狙いましょう。
仲良くしている不動産会社があるなら、熱意を伝えて協力を依頼したり、事業計画書を追加して説得工夫をしたりするのも手です。
どうしても物件が見つからない場合には、「シェアハウス」という手があります。賃貸契約よりも通過しやすいため、併せて検討しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。今回は脱サラしたい人に向けて、
- 脱サラで失敗しない7つの方法
- 脱サラした後の4つの注意点
についてお伝えしました。
今すぐ辞めたい気持ちから無計画に退職すると、残高が目減りする恐怖から、過度なストレスを抱えることになりかねません。
衝動で辞めるよりも、まずは月10万円程度の収入を副業で得られるようになってから、脱サラ起業するのをおすすめします。副業、起業とステップアップさせることで、安心してビジネスに取り組めますよ。
当スクールでは、心理学だけでなく、マーケティングや集客などのビジネスについても、スキル習得ができます。ビジネスも学べる理由は、専門知識だけ学んでも、顧客が来ない事にはスキルが身につかないからです。
「やりたいこと」で副業・起業について学びたい方は、体験セミナーにて「初心がハマる罠」や「身に着けるべきスキル」、「始め方」や「ステップ」などを解説しています。まずはそちらをご覧ください。
脱サラ前にやることが多く、めんどうに思うかもしれませんが、きちんと準備して挑めば、副業・起業は誰だって可能です。まずは準備を始めましょう。遠回りせず、最短で結果が出ることを応援しています。
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