病気を抱えながら仕事をするには?両立に欠かせない9つのポイント

病気を抱えながら仕事をすることに不安を抱えていませんか?「働きたい」と思っても、急に具合が悪化した経験がよぎって、二の足を踏んでいるかもしれませんね。

私も子どものころから持病があり、会社員のときに薬を飲んでも体調が改善せず、仕事との両立に悩みました。けれど今は病気と上手に付き合って、負担なく働けています。それは、「9つのポイント」を意識して働いているから。

そこで、未経験から目指せるカウンセラー養成スクールの代表かつ現役カウンセラーが、過去の経験を踏まえ「病気を抱えながら仕事をするために欠かせない9つのポイント」をご紹介。

持病を呪うのではなく、ワークシックバランス(仕事と病気との両立)を意識し、自分らしい働き方をしましょう。

1.無理なく働ける仕事環境を選ぶ

今働いている環境は、あなたにとって働きやすいでしょうか?それとも働きにくい職場でしょうか?

ここでは、自身の経験やカウンセリングでの相談者からのお声を踏まえ、独自に病気のある人にとって「働きにくい職場」について、まとめました。

【働きにくい職場】
・残業が多い
・休日出勤がある
・振替休日が使えない
・フレックスタイムがない
・欠勤すると風当たりがきつい
・慢性的にストレスがかかる
・人間関係がギスギスしている
・在宅勤務ができない など

あなたはいくつあてはまりましたか?ひょっとすると、ほぼすべてあてはまり、相当がんばって働いているかもしれませんね。

フレックス制でラッシュ時間をさけて出勤できたり、在宅ワークが可能であったりすると、持病持ちであっても負担が少なく働けることでしょう。

今の労働環境が病気の体にとって過酷なら、なるべく無理なく働ける環境を整えることをおすすめします。

なお、持病持ちが無理なく働くポイントについては、下記ブログにまとめていますよ。

持病があっても働きたい!ムリなく仕事する3つのポイント

 

2.病気に理解のある仕事環境を選ぶ

持病があると、定期的に通院や検査が必要であったり、症状によって早退や欠勤が必要になったりします。けれども、病気への理解が低い職場だと、休むたびに嫌味を言われたり、やっかみを受けたりするかもしれません。

実際に私も体調によって早退せざるを得ないことがありました。けれど、会社員時代はフレックスのない会社で、早退すると周囲から「また!?」と嫌な顔をされるため、歯を食いしばって勤務。

けれど、ムリして働くと症状は悪化するものです。結果、翌日欠勤になってしまい、余計に迷惑をかけるなんてことも。現在は起業し、自分で働く時間をコントロール。周囲からのやっかみを気にせずに働けて、ストレスフリーです。

病気を抱えながら仕事をするために、職場の人が持病持ちへの理解があるのかどうかは、働きやすさに影響します。

周囲が無理解で働きづらいのなら、副業で少しずつ収入を増やす方法を考えたり、別の会社や職種を検討したりするのもよいかもしれません。

選択

3.忙しくても6時間以上の睡眠を確保する

繁忙期になると、残業が増えたり、休日出勤が増えたりするかもしれません。忙しくなると、多くの人が真っ先に削る「睡眠」。

しかし、病気を抱えているのなら、家事や育児などで忙しくても、6時間以上の睡眠を確保しましょう。なぜなら睡眠時間の減少は免疫系の機能を低下させる恐れがあるため、持病悪化のリスクが高まるのです。

痛み

岡村尚昌氏などが「睡眠時間の長さによって、心身のストレスの自覚とノルアドレナリン神経系と免疫系の活性がどのように異なるのか」を検討するために205名に行った共同研究では、次のような結果が明らかになりました。

短時間睡眠群(SS: short sleep、5時間以下の睡眠)は、最適睡眠時間群(AS:Adequate Sleep)と比較して「身体症状」下位尺度得点が有意に高かった。

ロジスティック回帰分析の結果は、中等度以上の「身体的症状」、「社会的活動障害」と「うつ傾向」症状が短時間もしくは長時間睡眠と有意に関連していることを明らかにした。

引用元:岡村尚昌、津田彰、矢島潤平、堀内聡、松石豊次郎「睡眠時間は主観的健康観及び精神神経免疫学的反応と関連する」、日本行動医学会、2010 年 15 巻 1 号 p. 33-40

つまり、唾液等の生理指標の実験結果から、6~8時間の適切な睡眠をとった人と比べて、5時間未満の睡眠不足の人は身体的な不調を訴える割合が明らかに高いということです。

もとから持病がある人、体に不調をきたすことが多い人は、忙しさのあまり睡眠を削ると悪化のリスクが高いのがわかりますよね。

健常者のような残業、休日出勤は、毒にしかならないと肝に銘じ、しっかり6時間以上の睡眠を確保しましょう。

快眠

 

4.栄養バランスのとれた食事を心がける

忙しくなると、ついコンビニ食やレトルト食品、スーパーのお惣菜などに、頼ってしまっていませんか?

以前、カウンセリングに何度もうつ病をぶり返す方が来たことがあります。あらゆる心理療法を試みたのですが、効果がいまひとつ。あるとき、食生活を聞いたら、びっくり!

ほぼ外食ばかりで、食べるものは炭水化物と肉中心。野菜や魚、豆類や海藻類が決定的に不足していたのです。

ピザ

偏った食事は、心身に不調をきたします。なぜなら私たちの体は食べたものでできているからです。腸は第2の脳といわれ、腸内環境が悪いと心身の不調も出やすいといわれています。

また、うつ病や統合失調症などの精神疾患の方、うつ症状やストレスを受けやすい方は、セロトニン不足の状態です。セロトニンが不足すると、抑うつ感や無力感、気分の落ち込みなどが表れます。

食事からも、積極的にセロトニン生成を促す食品を取りましょう。セロトニン生成を促す食品はアミノ酸の一種の「トリプトファン」が豊富な食品、トリプトファンがセロトニンに変化するのに必要な「ビタミンB6」です。

【セロトニン生成を促す食品】
・青魚(イワシ、サバ、サンマなど)
・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
・大豆製品(豆腐、豆乳、みそなど)
・玄米
・バナナ
・ナッツ類(くるみ、アーモンドなど) など

病気持ちの方の中には「牛乳やヨーグルトを摂取すると、ほぼ確実にお腹を壊す」という人もいます。その場合には、刺激性の少ないバナナや玄米など、別のセロトニン生成を促す食品を食べましょう。

 

5.ストレスを溜め込まない

あなたは日ごろからこまめにストレス発散できていますか?

介護や育児などで忙しかったり、繁忙期であったりすると、限界ぎりぎりまでストレスに気づかなかったり、ストレス発散を後回しにしていたりする方もいることでしょう。

育児疲れ

なかには、ストレス対処をしたほうがいいとわかりつつも「何をしたらいいんだろう」「ホントに楽になった気がしない(気晴らしに過ぎない)」という人もいるかもしれません。

以前お越しになった方の中には、片頭痛や腹痛、倦怠感や便秘など、自律神経失調症の症状がこれでもか、と出ていた人もいます。本人もストレスが溜まっている自覚があったそうですが、「どう発散していいかわからない」とのこと。そこで、カウンセリング中に「今やっている対処法」を書き出して、これからできそうなストレス発散方法や予防法をいっしょに検討。

「未来の悩み系」「現在進行形の悩み系」「過去の悩み系」と時系列に分けて対処法を講じ、さらに「恋愛」「仕事」「家族」などのカテゴリーごとにも対処方法を考えました。

「無茶ぶり上司の悩みには、自宅に帰ってから音楽やDVD鑑賞で和む」「繁忙期のしんどい悩みは、抱えずに上司に相談する、厳しそうならヘルプを頼む」など。どんなときにどう行動したらいいか、見つかったことで、ストレスを過剰に感じること自体も減り、ストレス症状の片頭痛や腹痛も減ったそうです。

このように、時系列、状況に合わせて「何をしたらいいか」「どう行動したら気持ちや状況がラクになるか」を考えて、先手を打ちましょう。やることが明確だと、ストレスのまめな対処もしやすくておすすめです。

自力で見つけるのが厳しい方は、信頼できるカウンセラーと2人3脚で「現状」を振り返り、自分に合った対処方法を作成するとよいですね。お近くで見つからない場合には、当カウンセリングでも受け付けていますよ。

ストレスを放置すると、ストレス反応として病気が悪化しかねないので、まめに発散をしたり、対処方法を見出して行ったりしましょうね。

心理カウンセリング

 

6.薬や漢方薬を忘れずに飲む

案外多いのが「西洋薬や漢方薬の飲み忘れ」です。あなたは、主治医の指示通り、毎回飲んでいますか?

薬が処方されている場合には、きちんと指定通りに飲みましょう。頓服薬の場合にも、必要な場面や状況などを医師や薬剤師から教わっているかと思うので、その通りに実行してください。

ときどきカウンセリング中に「飲み忘れて2回分まとめて飲んでます」とか、「向精神薬は依存性があるので、飲んだふりをしています」とか、さらりとカミングアウトされることがあります。

薬の中には、依存性が高いものもあるので、「一生飲むことになったらどうしよう」「薬物依存って怖い」って思う気持ちは理解できます。

ただ、独自判断で薬をやめると、かえって症状が悪化する恐れもあります。2回分をまとめて飲むのも過剰摂取となり、リスクがあるでしょう。お薬の不安や心配があるのなら、主治医に「漢方で代用できないか?」と相談をする手もあります。

もし症状が落ち着いていて減薬や断薬を検討しているのなら、「最近は、痛みやかゆみはありません(記録した手帳持参)」などと事実のわかるものを持参することで、お薬を卒業できるケースもあるでしょう。実際に私の相談者の中には、記録をつけたものを持参して減薬に成功した事例もありました。

素人の自己判断で薬を服用、中断するのはリスクがありますので、ご注意くださいね。

薬

 

7.毎日散歩をする

あなたは日ごろから運動をしていますか?運動をした方が健康にいいと知りつつも、めんどうな気持ちや運動嫌いの感情から避けている人もいるでしょう。

かくいう私も、大の運動嫌い。正直なところ、体のためとはいえ、運動は避けたい人間です……。でも、運動不足は病気のリスクを上げます。

そこで、おすすめしたいのが「散歩」です。揃えるべき道具もなく、きつさもなく、手軽に行うことができます

散歩

私も以前は仕事が忙しいと、全然家から出ないことがありました。けれど、慢性的な運動不足のせいか、持病が悪化して薬が手放せない状態に。

あるとき、ウォーキングが体にいいと聞いて、半信半疑で実践。1日最低5,000歩を目標に散歩をするようにしたら、薬がなくても平気な日が増えて、現在は「頓服薬として飲めばいい」と主治医に言われるまでに回復しました。

厚生労働省の健康日本21によると、次のように運動の効果やウォーキングの推奨が記されています。

身体活動量が多い者や、運動をよく行っている者は、総死亡、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患率や死亡率が低いこと、また、身体活動や運動が、メンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められている。

最初の運動としてはまずウォーキングから。

引用元:厚生労働省「健康日本21」

1日1万歩を目指したいところですが、まずはムリしない範囲で散歩をし、徐々にステップアップしましょう。

太陽の光を浴びることで、うつ病を予防してくれる「セロトニン」の生成も促せます。手軽にできる運動で、抑うつ感も軽減されるので、習慣化したいところですね。

 

8.深い呼吸を意識する

つい浅い呼吸になっていませんか?考え事をしていたり、ストレスが溜まっていたり、デスクワーク中心だと呼吸が浅くなりがちです。深い呼吸を心がけましょう。

深い呼吸をすることで、自律神経系の乱れを整えることができます。なぜなら体の緊張感を和らげて、副交感神経が優位になるからです。

「丹田」からの呼吸を意識してみましょう。丹田とは、お腹に手を横向きで当てて、指3本下(人差し指から数えて薬指が当たるところ)にあります。

丹田式呼吸法は、腹式呼吸となり、体の奥から息を吸い、吐くことが可能です。

【丹田式呼吸法がおすすめの人】
・最近、疲れが溜まっている
・肩に力が入っている
・呼吸が浅い
・考え事が多い
・自律神経系の不調を抱えている など

そのような人は、体の不調を和らげて仕事と病気を両立するためにも、深い呼吸を意識しましょう。

 

9.限界を超える働き方をしない

体の不調を訴える方の多くが「頑張り屋さん」です。健常者に負けまいと働いていたり、言われた以上をやろうとしていたり、限界を超えるほど頑張っていませんか?

限界量を超えて頑張れば、やがて体調不良や持病悪化として、反動がきます。もし過剰残業を強いる会社に身を置いているのなら、副業や起業も視野に入れましょう

たとえ今仕事をしていなくても、介護や育児、家事などがのしかかっていれば、おのずとやることが多くなりがちです。限界を超えるほどの「やるべきこと」を日々こなしているかもしれません。

体調を考慮して、「自分の限界量はどのくらいなのか?」「どのくらいやることが多いときついのか?(体調に出るのか?)を自覚しましょう。

頭

とはいえ、自分の限界量を自覚できている人は案外少ないかもしれません。そこでおすすめするのが、私が6歳からつけている「日記」手法です。

私は毎日の日記に「歩いた歩数」「体調」も記載しています。パッと見て「〇・×」が書かれているので、月間での振り返りもスムーズ。毎日の仕事内容や感情も併せて記入することで「これくらいの仕事量だと体に響く」という目安がわかるようになりました。

1日3分ほど振り返りの時間を取り、毎日の体調を合わせて記入しましょう。1か月経つ頃には、一目で体調のバイオリズムが見える化(可視化)できます。限界量を知る、目安にもなることでしょう。

 

病気への対策を打って、あなたらしくムリなく働こう

いかがでしょうか?今回は「病気を抱えながら仕事をするための方法」として、

1.無理なく働ける仕事環境を選ぶ
2.病気に理解のある仕事環境を選ぶ
3.忙しくても睡眠6時間以上確保する
4.栄養バランスのとれた食事を心がける
5.ストレスを溜め込まない
6.薬や漢方薬を忘れずに飲む
7.毎日散歩をする
8.深い呼吸を意識する
9.限界を超える働き方をしない

などについて、お伝えしました。体調の波に左右される毎日で、持病を呪いたくなることもあるかもしれません。けれども、工夫次第では仕事をすることができます。

健康体の人と比べて落ち込むのではなく、今ある身体で両立可能な環境を整えましょう。

残業や休日出勤が多くて頑張らないといけない職場であったり、今の仕事環境ではストレスがたまるようなら、いっそのこと副業や起業で在宅ワークも視野に入れるのをおすすめします。

病気が憎いかもしれないですが、あなたらしい働き方を強制的に見出すギフトかもしれません。つらく悩んだ分だけ、きっと寄り添えることでしょう。

当スクールでは、未経験・資格なしから目指せる、在宅カウンセラーの養成講座を行っています。興味ある人は相性を確かめに体験セミナーへお越しくださいね(メールカウンセラーについてはこちら)。

あなたが病気と折り合いをつけて、無理なく働けますことを応援しています。

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心理カウンセラー田倉さとみ

心理カウンセラー田倉さとみ

エイド・カウンセラー協会 代表

いじめをきっかけにカウンセラーを目指すも、求人のなさ・集客に悩む。高額の経営塾等でビジネスを学ぶことで20代でひとり立ち。
しかし1馬力の限度も感じ、エイド・カウンセラー・スクールを開設。
ミッションはエイド・カウンセラー(仲間)を1,000人以上が増やすことを通じて、うつ病・自殺者が1,000人未満に減少させること。
心理歴15年、セミナー講師登壇120回以上、550名以上の臨床経験をもつ。
主なメディア出演はTBSテレビ、かわさきFMラジオ出演。著書「こころの予防医学」出版。

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