カウンセラーになるには「カウンセリング技術や心理学を勉強する」必要があります。なぜなら独学ではスキルまでは身につかず、相談者を傷つけるリスクも高いからです。正しい知識とスキルを習得し、悩める相談者の力になりましょう。
では、どこで学べばいいのでしょうか。カウンセリング技術や心理学を勉強できる学校の種類は、3つあります。それぞれの難易度、費用、期間、学べる内容、就職・転職の可能性、メリット・デメリットを踏まえて、ご紹介します。
特徴を押さえることで、時間もお金も最小限で、カウンセラーになるための最適な場を選択できます。
会社員の傍らカウンセラーを仕事にすべく奮闘してきた過去を持ち、現在は起業6年目のカウンセラー&家庭持ちの女性が「学校選びの3つの基準」も併せてお伝え。基準を知ることで、「こんなはずじゃなかった」と学費や時間を無駄にするのを防げます。カウンセラーになる夢実現に役立ちますよ。
1つ目:大学・大学院
1つ目の心理学を勉強できる学校は「大学・大学院」です。王道で、だれもがすぐに連想する場所でしょう。
続いて、大学・大学院で学ぶときにかかる費用や期間、学べる内容や難易度について、お伝えします。
大学・大学院の特徴とは?難易度・費用・学び方・期間・学べる内容
【大学・大学院の特徴】
難易度:高い
費用:高い(約400-600万円)
期間:長い(4-6年)
学び方:通学メイン
学べる内容:幅広く専門性が高い
大学や大学院で心理学を勉強する場合、通学するのがオーソドックスです。会社員をしながら勉強する場合、夜間学校を利用するのも手です。
心理学の分野は30以上もあり、バリエーションに飛んでいます。大学や大学院では、病院や企業に勤めて相談に乗れるよう、より高度で専門的な知識を得られます。
大学や大学院で学べる内容について詳しく知りたい方は「心理学の分野は何がある?基礎・応用それぞれをわかりやすく解説」をご覧ください。約30分野ある心理学の内容について紹介しています。
大学・大学院で心理学を勉強するメリット
大学や大学院で心理学を勉強する最大のメリットは「認知度の高い資格取得」ができることです。6年間学んだのちに試験に合格すれば、臨床心理士や公認心理師にはなれます。
心理カウンセラーとして就職・転職したいなら、募集要項の「臨床心理士」「公認心理師」はほぼ必須。資格取得によって、ようやく求人に応募する切符が手に入るのです。
【大学・大学院で心理学を勉強する メリットのまとめ】
1.所定の単位で認定心理士の資格を取得できる
2.大学院卒業+試験に合格⇒臨床心理士、公認心理師になれる
3.有名な資格を取得でき、求人に応募するチャンスがある
大学・大学院で心理学を勉強するデメリット
大学・大学院で心理学を勉強するデメリットとしては、「高額な学費と長い学習期間」「カウンセラーに転職できる保証はない」「知識だけでスキルがつかないリスク」などです。会社員で固定給があったとしても、奨学金や学生ローンなどを組まないことには、学ぶのは容易ではないでしょう。
働きながらカウンセラーになるには、まず通学のために同僚や上司の理解を得て、残業をなくす・減らすなどの手を打つ大変さがあるでしょう。せっかく大学や大学院に入学しても、授業に出席して単位を取らない事には、資格取得は叶わないからです。
さらに、必ずしもカウンセリングのロープレや実習があるとは限りません。サポート体制が充実していない学校を選ぶと、知識だけついてスキルが身につかず、大損するリスクもあります。
加えて、募集要項は満たせたとしても、カウンセラーになるのは狭き門。採用枠を取るのは難しく、資格だけ取って、現職を続けることも十分にあります。なお、カウンセラーの就職事情については、「なぜ臨床心理士がカウンセラー職に就けない?3つの理由と意外な解決策」で詳しく解説しています。
【大学・大学院で心理学を勉強するデメリットのまとめ】
1.費用も高く、学習期間も長い。
2.就職や転職の保証や斡旋はない。
3.実習やサポート体制次第では大金を無駄にする。
2つ目:心理スクール
2つ目の心理学を勉強できる学校は「心理スクール」です。NLPや産業カウンセラー養成所などがメジャーな民間の学び場です。
続いて、心理スクールで学ぶときにかかる費用や期間、学べる内容や難易度について、お伝えします。
心理スクールの特徴とは?難易度・費用・学び方・期間・学べる内容
【心理スクールの特徴】
難易度:普通
費用:安い~普通(10~100万円)
期間:普通(1か月~1年)
学べる内容:ピンポイント
心理スクールは大学のように包括的に心理学を学ぶのではなく、「人間関係などの社会心理学分野」「産業・組織などのキャリア分野」など、1~2分野をピンポイントで勉強できる学校です。
厳選されているため学習期間も1年未満、費用も100万円未満となり、大学や大学院に通うよりは大幅に費用や期間を押さえられます。
心理スクールで心理学を勉強するメリット
心理学スクールで勉強するメリットは、「仕事との両立がしやすい点」です。
ZOOMやSkypeを使ったオンライン授業も多く、在宅で勉強は可能です。通学形式であっても月1~2回程度で、負担が少ないでしょう。
大学のように20~30分野など、包括的に学ぶスタイルではありません。学びたいカリキュラムのあるスクールを選べば、数か月でピンポイントに心理学の知識やスキルをつけられます。時間と費用の節約をしながら、心理学を勉強できます。
【心理スクールで心理学を勉強するメリットのまとめ】
1.オンラインスクールもあるので通学不要
2.大学や大学院と比べると費用を押さえらえる
3.ピンポイントで学びたい心理学や内容だけ学習が可能
心理スクールで心理学を勉強するデメリット
心理学スクールのデメリットは、「資格を取得しても転職できない」「実技のない学校も多い」「サポート体制の少なさ」です。心理スクールではカウンセラーに応募できる資格は取れません。
とはいえ応募資格を満たしても、ほとんどの人はカウンセラーになれません。カウンセラーになりたいのなら、王道ルート以外で開拓することになります。この辺りはなぜ臨床心理士がカウンセラー職に就けない?3つの理由と意外な解決策で説明しています。
心理スクールのカリキュラムやサポート体制は、バラツキがあります。
座学しか学べず、スキル習得が見込めないことも。ロープレの有無、講師によるフィードバック環境などは事前にチェックしましょう。
なかには一方通行で質問への回答がない学校、講師による改善アドバイスが0のスクールもあるので、リサーチは必須です。
【心理スクールで心理学を勉強するデメリットのまとめ】
1.資格取得しても就職・転職には役立たない。
2.座学だけで、実現のないスクールも多い。
3.サポート体制の少なさ。
3つ目:通信教育・通信講座
3つ目の心理学を勉強できる学校は「通信教育・通信講座」です。コロナ渦中で増えています。DVDや教科書などでの勉強する、いわゆる独学形式です。
続いて、通信教育・通信講座で学ぶときにかかる費用や期間、学べる内容や難易度について、お伝えします。
通信教育・通信講座の特徴とは?難易度・費用・学び方・期間・学べる内容
【通信教育・通信講座の特徴】
難易度:低い
費用:低い(数千円~数万円)
期間:短い(数日~約4か月)
学べる内容:ピンポイントor浅い
通信講座で代表的なものだと、ユーキャンや資格のキャリコレなどがあります。自分のペースでテキストやDVDを見ながら勉強できます。
授業というよりも自主勉強に近いため、費用も学習期間も短く、手軽な内容が多いでしょう。
通信教育・通信講座で心理学を勉強するメリット
通信教育・通信講座のメリットは、「安くて短期間で学べる」「オンライン・独学形式ですぐ学べる手軽さ」でしょう。
ほとんどがDVDや動画セミナーのため、仕事終わりの深夜や早朝など、空き時間に心理学を勉強できます。オンラインで勉強できるため、働きながらカウンセラーになるにはうってつけと、学ぶ方も多いでしょう。
初心者向けのカリキュラムが多く、心理学を学ぶのが初めてでも、易しい内容です。ハードルが低く、始めやすいです。
【通信教育・通信講座で心理学を勉強するメリットのまとめ】
1.オンライン学習のため仕事と両立しやすい。
2.安いので気軽に勉強できる。
3.内容が絞られているので、すぐに学習が完了する。
通信教育・通信講座で心理学を勉強するデメリット
通信教育・通信講座のデメリットは、「就職や転職に活かせない」「一方通行の学び」「知識だけでスキルは身につかない」点です。
勉強して資格を取っても、求人の募集要項は満たせません。教科書や動画教材で知識はついても、実践的なロープレはなく、スキルは身につかないです。カウンセラーになるために必要なスキル習得が見込めません。
安価なこともあり、直接フィードバックがないことも。
メールフォローがあるところも、1対1での返信ではなく、多い質問にだけ回答するケースもあります。個別でフォローがないと疑問が払しょくされず、知識の定着を妨げます。必ず、サポート体制のある学校を選びましょう。
通信講座はカウンセラーになりたい人向けというよりも、「まずは学びたい」ニーズ向きです。
【通信教育・通信講座で心理学を勉強するデメリットのまとめ】
1.資格取得しても就職・転職には役立たない。
2.直接講師からのフィードバックがない。
3.座学のみで、ロープレはない。
絶対に押さえるべき!後悔しない学校選びの3つの基準
心理学を勉強できる手段として「大学・大学院」「心理スクール」「通信教育・通信講座」の3つを紹介しました。それぞれの特徴やメリット・デメリットが分かったら、続いて押さえておきたいのが「選ぶ基準」です。
ポイントを押さえておかないと、いざ申込をしても「知識だけしかつかなくて、カウンセリングスキルがつかない」「カウンセラーになる道筋が全然見えてこない」と、かえって不安を増幅する結果に。
セミナージプシー・資格マニアで終わってほしくないから、カウンセラーの夢を実現し、起業6年目のカウンセラーがポイントを教えます。
1.カウンセリングスキル習得のための「ロープレ実習」
まず1つ目は「ロープレ(実習)」があることです。
座学だけの学校もありますが、ロープレ練習がないと、せっかく知識がついてもカウンセリングスキルはつきません。
車の運転技術の本だけを読んで、路上で安全に運転できるでしょうか。
できませんよね。カウンセリングも同じです。座学だけでは、いざ相談者を前にしても、カウンセリング技術を生かせません。
当スクールにおいても、「わかる」だけで終わらせないために、ロープレの場を設けています。傾聴法やカウンセラーの在り方をロープレで取り組むことで、「わかったつもり」から「できる」へレベルアップを促しています。
縄跳びや車の教習所同様に、できるようになるには練習が必要です。必ずカリキュラムで「ロープレ(実習)」があるかを確認しましょう。
2.疑問解消やフィードバックなどのサポート体制
2つ目が「サポート体制が充実していること」です。
授業では、ときに専門的でわかりにくい内容が出てくることもあるでしょう。そんなときに質疑応答や個別フォロー体制が整っていないと、疑問払拭できません。
わからないことがそのまま残ると、知識の定着の妨げになります。きちんと個別で質問に答えてもらえるか、サポート体制はどのようになっているのかを確認しましょう。
当スクールも期間中は、無制限で質問への回答はもちろんのこと、各課題への添削やアドバイス、ロープレへのフィードバックも行っています。ちゃんと環境を整えてあげることが、受講生のために欠かせないエッセンスだからです。
いくら生徒間や講師陣とのロープレ練習の場があったとしても、講師からのフィードバックがないと、同じ失敗を繰り返す恐れがあります。きちんと「フィードバック」「アドバイス」がもらえる学校を選びましょう。
3.仕事と両立しやすい環境
3つ目が「仕事と両立しやすい環境」であることです。
オンラインスクールも増えていますが、昔ながらの通学スタイルのところも残っています。たいていのスクールは主要都市にあるため、地方にお住まいの方にとっては、移動も案外時間がとられます。
私も過去にいくつかの心理スクールに行きましたが、その1つが電車で1時間半、トータル2時間を超える学校でした。当時はフルタイム勤務であったため、往復4時間の移動となれない勉強で疲れも残り、翌日はぐったりしながら会社に行ったことも。
仕事と両立しやすい環境であるかを事前確認しましょう。
特に残業の多い人や休日出勤のある人は、授業を休んだ後のフォローがあるかを確認しておいた方がいいです。なかには補講の実施や動画提供のあるスクールもあります。なお、当スクールでは動画提供や個別対応もあります。
この辺りはカリキュラムなどにも記載がないことが多いため、申込前や体験セミナーなどで事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
今回は「カウンセラーになるために心理学が勉強できる3つの学校」として
- 大学・大学院
- 心理スクール
- 通信教育・通信講座
について、ご紹介しました。
特徴やメリット・デメリットを押さえることで、あなたの目的に合わせた学校選びができます。
働きながらカウンセラーになるためには、通学スタイルよりもオンラインスクールをおすすめします。勉強しやすい環境である方が、負担も少ないからです。
加えて、カウンセリング技術を学ぶ際には「知識だけでなくスキルも身につく環境」「サポート体制の充実度」「仕事と両立しやすい環境」の3つを満たすところにしましょう。せっかく費用と時間をかけて学ぶ以上は、きちんとカウンセラーになれる道に近づいてほしいからです。
大学・大学院で本格的に勉強するのもよいですが、心理業界での就職は狭き門です。6年かけて多額の費用をかけたのにカウンセラーになれず、今の仕事を継続することも少なくありません。少しでもリスクを減らすために、王道の就職頼みよりも、開拓ルートを選択するのをおすすめします。
カウンセラーを目指してから、実際になるまでに6年かかりました。そして、カウンセラーの仕事で生計が経つまで、10年以上かかってます。カウンセラーを仕事にできずに苦労した過去があるからこそ、私のように遠回りせず、最短ルートでの夢実現してほしいと願っています。
開拓ルートにご興味がある方は、「心理学で食べていくのは難しい?5つの理由と打開策とは?」や「ビジネススキルを勉強できる3つの場所」、「オンラインカウンセラーになるための【無料】7レッスン」で知識を得るところから始めましょう。カウンセラーになりたいと願うあなたの夢が実現することを通して、あなたの周囲により多くの笑顔の花が咲きますように。
【関連記事】
・ビジネススキルを勉強できる3つの場所
・営業経験0、20代で独立。起業6年目の講師による「未経験・資格なしから相談業になる」ためのオンライン動画セミナー!
・心理学で食べていくのは難しい?5つの理由と打開策とは?
・なぜ臨床心理士がカウンセラー職に就けない?3つの理由と意外な解決策
コメント
COMMENT