心理学を勉強したいけど、スピリチュアルっぽくて怪しいと思われないか、不安になっていませんか?
私が副業中のころは、まだ心理学とスピリチュアルの違いがわからない方も多く、怪しまれたこともあります。そこで所属する心理学会の勉強会や本で学んだことで、「心理学とスピリチュアルの明確な違い」がわかりました。
今回の記事では心理歴17年、カウンセラー養成スクール代表自ら「スピリチュアルと心理学の違い」について、解説します。
あなたが違いを説明できるようになることで、周囲の反応に怯えることなく、副業カウンセラーとして歩めますよ。まずは理解を深めていきましょう。
目次
そもそもスピリチュアルとは?
タロットカードやオラクルカード、癒しや引き寄せの法則など、スピリチュアルっぽいと表現することがありますね。ところで、スピリチュアルとは、そもそもどのようなことを指すのでしょうか?
スピリチュアル(spiritual)とは、目に見えない精神世界のことを指します。
【スピリチュアルの代表例】
・天使
・神様や仏様
・宇宙や世界
・占い(タロットカードやオラクルカード)
・ヒーリングや癒し など
では、なぜスピリチュアルが目に見えない世界を意味するのでしょうか?それは語源が関係しています。
スピリチュアルの語源はスピリット(魂)
スピリチュアルの語源は、ラテン語の「スピリット(spirit)」といわれています。
【スピリットが意味するもの】
・魂
・精神
・精霊
・霊魂
・生気
・精気 など
スピリチュアルとスピリットを見比べると、共通する部分が多いことに気づけることでしょう。
スピリチュアリティ「霊性・精神性」
スピリチュアルと似た意味合いのものとして、「スピリチュアリティ(spirituality)」もあります。
スピリチュアリティとは、霊性、精神性のことです。最近では、ニューエイジ思想やアニミズムとも近いと考えられています。
スピリチュアリティは救いを得るための手段ではなく、幸せや癒しをもたらすためのツールとされています。その点はヒーリングとも似ているかもしれません。
心理学とスピリチュアルの違いとは?
スピリチュアルと心理学は、双方ともに「目に見えない世界を扱う」という共通点があります。では、心理学とスピリチュアルはどのような違いがあるのでしょうか?実は、明確な違いが存在します。
ここでは、心理学とスピリチュアルの違いについて、解説しますね。
心理学は「科学」。根拠を示すことができる
心理学は、心を科学する学問のことを指します。心理学実験や心理測定法などのデータを用いて、心理状態やストレスレベルなどを把握することが可能です。
たとえば、赤い部屋と青い部屋があったとします。どちらの方が「落ち着く」でしょうか?どちらが「時間の流れが速く」感じるでしょうか?
人は赤い部屋に入ると心拍数が上がります。交感神経が上昇することで、興奮したり、緊張感が高まったり、時間の流れを早く感じるためです。反対に、青い部屋では心拍数が下がることで、気持ちが落ち着きます。副交感神経が優位になることで、時間の流れのゆったり感じるのです。
効果については、心理学実験で検査器具をつけることで、効果性を立証できます。つまり、心理学ではデータをもとに根拠を示すことができるのです。
なお、この辺りは心理学でいうところの「生理心理学」の分野に該当します。心理学実験や心理測定法については知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
■心理学の分野は何がある?基礎・応用それぞれをわかりやすく解説
スピリチュアルは「非科学」。根拠を示すことができない
対するスピリチュアルとは、何なのでしょうか?スピリチュアルは「非科学」といえます。
心理学のように、実験や統計的な処理(重回帰分析、下位検定の活用など)によって、効果を立証することはできません。根拠を示すことができないのです。
では、スピリチュアルは存在しえない「精神世界」なのでしょうか?現在の科学では、残念ながらそうとも言い切れません。
思考型の人間であっても、大事な家族が他界したら「あの世」に行くと考え、仏壇に手を合わせたりしますよね。魂は見えませんが、四十九日や彼岸などを大切にするのも、一種のスピリチュアルといえるでしょう。
根拠が示せるスピリチュアルは「脳科学」
スピリチュアルは非科学だと伝えましたが、人によっては「スピリチュアルにも根拠が示すものがある」というかもしれません。代表的なものだと「引き寄せの法則」があります。
たとえば妊娠が発覚したことで、電車や街中で急に「妊婦が周りに増えた」と感じた経験はありませんか?
一種の「引き寄せ」のように感じるかもしれません。しかし、これは妊娠によって意識を向けてこなかった妊婦に目が行くようになったことで、妊婦と遭遇率が上がった(いると認識できるようになった)ためです。
脳の働きの関係で、意識しているものを見ようとする傾向があります。
たとえば「あなたの周囲に赤いものはいくつありますか?」と聞かれたら、パッと意識を向けませんか?意識することで、今まで意識外だった「赤」を探し、見つけようとするのです。
このように、脳の働きやしくみ、科学的な立証が可能なものを「脳科学」といいます。
なぜ心理学が怪しいといわれるのか?
今やカウンセリングや心理学の知名度も上がり、10~20年ほど前のような拒否感は減ってきました。けれども、年配層や保守的な方を中心に「心理学=怪しい」という概念を持っているケースもあります。
では、きちんと根拠も示せる心理学がなぜ怪しまれるのでしょうか?2つの理由から解説をしますね。
心理学の分野は30以上。スピリチュアルと隣接
1つ目の理由は「心理領域が広く、スピリチュアルとも隣接している」からです。
心理学の分野は、認知心理学や社会心理学、産業組織心理学や教育心理学など、とても多く、30以上もあるといわれています。
それだけの数があるわけですから、「慈悲の心理」「夢分析」など、一見するとスピリチュアルっぽい分野も存在します。
心理学の中でも脳科学やコミュニケーション学、精神医学や人類学などの隣接している分野もあり、相互研究が進んでいる分野も少なくありません。その関係で、隣接分野の影響もあるといえるでしょう。
たとえば、スピリチュアルでは「ハイヤーセルフ」という概念があります。ざっくりいうと「高次元の自分」のことです。
自分を大きな枠組みで捉え、広い視野で見つめられている状態と言い換えられるでしょう。
心理学でも似たもので「メタ認知」があります。ざっくりいうと「客観的に捉える、見つめる力」のことです。
課題や悩みを見る際に、直接課題を見つめるのではなく、上空にいる鳥が全体を見下ろすように物事全体を客観的に見ることを指します。
こう考えると、ハイヤーセルフとメタ認知は、似ていることに気づきませんか?このように、隣接分野ゆえに共通点や相互に影響を与え合う部分もあるのです。
心理学と宗教の関係性
もう1つの理由は、「心理学が宗教とも縁があるから」です。宗教と関係があると聞くと、とたんにヤバい、怪しいという印象が高まるかもしれません(日本では特に)。
実際には、歴史的な背景で心理学が宗教と縁があるといるのです。
カウンセリングとキリスト教の関係
まずはカウンセリングとキリスト教の関係です。
中世から現在に至るまで、教会では神父さんが悩みを抱える子羊の悩みを聞いてきました。「神は許します」というお告げは、罪悪感や重責で押しつぶされそうだった人々の心を救ったことでしょう。
キリスト教の懺悔は、カウンセリングとも似ています。先入観でジャッジや否定をすることなく、ありのままに話を聞く行為は、心理学の「受容」と共通しています。
「許します」の言葉をカウンセラーが告げることはありません。しかし、罪悪感や重責を手放せるように心理療法やセラピーを活用し、心の鎖を解くサポートはします。
その点で、カウンセリングはキリスト教的な要素を孕んでいるといえるかもしれません。
カウンセリングマインドと仏教
つづいて、カウンセリングマインドと仏教の関係についてです。
仏教では修行を通して「悟り」を開きます。悟りとは、「迷いや煩悩を捨てて、真実や真理に気づくこと」のことです。
以前、交流会で出会ったあるお坊さんは「諦めることは『明らかに見た結果』だ」と話していました。
カウンセリングでは他者を変えたいという話がときどき出てきます。しかし、人や過去は変えられません。いくら悔いても、嘆いても、説得を試みても、本人に変わる意思がなければてこでも動かないのです。
「私の問題ではなく、彼の問題だ」「本人の意思次第だ」と、真実を直視することは諦めという結果に見えるかもしれません。けれども私は、事実を受容したからこそ物事を達観できたという「成長の証」ともいえると思います。
このように仏教の「悟り」とカウンセラーのカウンセリング(受容)は、類似点があります。
心理学は怪しくない。知識をつけて違いを理解しよう
いかがでしょうか?今回は「心理学とスピリチュアルの違い」として、
- 心理学は「科学」。根拠を示すことができる
- スピリチュアルは「非科学」根拠を示すことができない
- 根拠が示せるスピリチュアルは「脳科学」
などについて、お伝えしました。
心も魂も目に見えず、双方ともに癒しをもたらす効果があるため、似ているように感じるかもしれません。けれども、心理学では統計や実験などで根拠を示すことができます。
怪しいといわれる恐怖心でビクビクし、副業カウンセラーのデビューができないのだとしたら、まずはあなた自身で違いをしっかり理解しましょう。
理解が進んだら、あなた自身の言葉で説明できるまで理解度を高めることで、周囲の声で不安になることなく、副業カウンセラーとしてのスタートできるはずです。
もし副業カウンセラーとしての始め方や集客で悩んでいるのなら、体験セミナーをご活用ください。具体的なステップがわかり、建設的に計画・実行へと移れることでしょう。
あなたの不安が和らぐことで、カウンセラーとしての活動する方が増え、自ら悩みを解決できるスキルを持つ方が増える世の中になることを祈っています。
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