傾聴できない人の4つの理由とプロ並みに聞き上手になる5つの方法

傾聴ができずに、難しいと感じていませんか?実はそれ、良かれと思ってやっているアドバイスや自身の経験談が邪魔している可能性が濃厚です。

自己流の聴き方をやめ、こころのプロであるカウンセラーの聴き方をマネするだけでみるみる上達し、聞き上手に変わることができますよ。

相談実績700名以上&心理本も出版し、カウンセラー養成スクールを運営する心理カウンセラーが「プロ並みに聞き上手になる5つの方法」を伝授します。

傾聴できない人から聞き上手なあなたへと、変えていきましょう。

 

傾聴できない人の4つの理由

「困っている友人や同僚、部下や家族などの力になりたい」と相談に乗るものの、うまく傾聴できずに、難しいと感じる人が少なくありません。

けれども傾聴が難しいのではなく、傾聴できない人は誤った相談の乗り方や聴き方をしているケースが多々あります。

ここでは、「代表的な傾聴ができない人の4つの理由」を紹介しますので、あてはまる部分がないか、確かめてみましょう。

 

1.正しい聴き方を知らない

1つ目は「正しい聴き方を知らない」ケースです。いわゆる我流で相談に乗る、心理本やビジネス本などを頼りに聴くなどがこちらにあてはまります。

質問

なぜ我流では傾聴できないのでしょうか?それは「悩み相談」や「愚痴」に対して、適切な聴き方が身についていないためです。

我流では大事なポイントを押さえていないため、よかれと思っての行為がかえって相談者の気持ちが沈む、より一層思い悩む羽目になるなど、負の連鎖を引き起こすこともあります。

プロのカウンセラーは、スクールでの傾聴法の知識を学び、実習やロープレ、スーパーバイザーからのフィードバックを経て、役立つ聴き方を習得します。

正しい聴き方をすることで、相手が心地よくなり、「相談してよかった」「聴いてくれてありがとう」と晴れやかな表情へと変わるのです。

 

2.アドバイスをしたがる

2つ目のケースは「アドバイスをしたがる」ケースです。特に年長者や男性に多い傾向があります。

なぜアドバイスが傾聴を妨げるのでしょうか?それは、「あなたの経験談やうまくいったエピソードが、すべての人にあてはまるとは限らない」からです

たとえば、あなたにとって結婚は、「女性にとって幸せ」との思いがあるかもしれません。けれども、幼いころから親から暴言を吐かれ、母親が父親に殴られているのを見て育った人にとっては「結婚=地獄・墓場」との思いが根深く残っていることもあるでしょう。

このように育ってきた環境や経験によって、同じ「結婚」を連想しても、感情や期待値は大きく異なります

受け止める

それなのに、傾聴できない人は背景を知らずに「結婚したほうがいいよ」といってしまい、余計なおせっかいになります。微妙な空気が漂ったり、信頼関係が崩れてまともに質問に回答されなくなったりすることもあるでしょう。

時代とともに常識や正解、価値観も大きく変容します。聞き上手になりたいのなら、時代とともに正解、価値観も変わること、異なる経験によって価値観が多様にあることを念頭に置きましょう。

 

3.主観でジャッジ・決めつけてしまう

3つ目は「主観でジャッジ・決めつけてしまう」ケースです。心理学では自身の価値観で決めつけることを「固定概念」や「準拠枠」といいます。

あなたは「こどものいる女性の離婚」と聞いたとき、どのような感情が湧きますか?

人によっては「離婚=よくない」「こどものために我慢すべき」との考えが湧き、相談中に止めようとするかもしれません。

しかし、700名以上の相談実績をもつ著者の経験上、お金を払って相談に来る方は、そう思うに至る理由を持っていることが大多数です。それなのに、一方的にジャッジして意見を述べたら、反発されて当然でしょう

さらに、離婚がよくないというは、本当でしょうか?

日常的に暴力を振るわれている現場を見たり、お皿やイスがこどもに向かって投げられたり、罵声や中傷を浴びたりしながら過ごすのは、本当にこどもの心にとって健全な発育を促せるのでしょうか?

経済面だけでなく、こどもや相談者の精神状態を踏まえると、必ずしも離婚がよくないものだとは限りません。

むしろ私は離婚したからこそ、物理的な距離が取れて、元夫との関係が良好になったケースも知っています。

聞き上手になりたいのなら、自分の価値観や考えだけで決めつけるのは、よしましょう。考えを押しつけられて喜ぶ人はいません。カウンセラーとして純粋な心(純粋性)を持ち、傾聴できるように心がけましょう。

 

4.うまく質問ができない

4つ目は「うまく質問できない」ケースです。カウンセラー側としては、傾聴技法として質問をしたつもりであっても、質問のしかたが悪いと詰問や誘導尋問になるケースもあります

たとえば、「なぜこどもがいるのに、働きに出るの?」との質問は、相談者を責めているようにも受け取れます

涙

ひょっとしたら、家庭=妻が守るべきものとの固定概念から質問しているのかもしれませんが、質問のしかたとしては悪いといえます。

相談者も本音としては「こどものそばにいてやりたいけど、経済面から働かないといけない」事情があるかもしれません。あるいは「こどもも大好きだけど、同じくらい仕事がやりがい」で、かけがえのないモノとの思いがあるケースもあるでしょう。

質問のしかたが悪いと、責められているように感じ、相談者は自己嫌悪に陥り、よけいに心を病むかもしれません

詰問をされると、相談者の心がきつくなり、やがて本音を語ってくれなくなります。これでは、相談者の心が晴れやかになるのは厳しいでしょう。

 

プロ並みに聞き上手になる5つの方法

傾聴できない人の4つの理由をお伝えしました。原因がわかったら、続いて対処法です。

現在は傾聴できない・難しいと感じていても、大丈夫。やり方を知って何度もトライすれば、あなただってできるようになります。まずは、その方法を知りましょう。

 

1.傾聴=技術と気づき、正しい聴き方を学ぶ

1つ目は「傾聴=技術と気づき、正しい聴き方を学ぶ」ことです。

聞き上手な人であっても、こどものころから相談に乗る機会が多かったとしても、本当に相手に良くなってほしいのなら「技術を身に付ける」ことが肝心です。

スポーツも我流や見よう見真似で行うよりも、習う・コーチをつける・教わるほうが上達します。これは、傾聴法だって同じです。

それなのに「相談に乗る機会が多いから大丈夫」と学ばないのは「運動神経がいいから、無免許だけど運転できるでしょ」と路上運転するようなもの。傾聴できずに難しいと感じて当然です。

車の運転なら、事故が起こって当然の状況。カウンセリングにおいても、改善どころか悪化するにはワケがあるのです。

あなたがまだ心理学の基礎や傾聴法を体系立てて学んでいないのなら、心理スクールで「傾聴の基礎、相談者の在り方、基本技術」を習得しよう

現役のカウンセラーから学び、実践的に習得することで、傾聴できるように成長でき学習できます。ただし、学ぶ場所によっては実習がほぼないケースもあるため、比較検討をおすすめします。

心理学が学べるおもに3つの場所とメリット・デメリットについては、下記をご覧ください。

カウンセラーになりたい人必見!心理学が勉強できる3つの場所

 

2.答えが無限大にあると知る

2つ目は「答えが無限大にあると知る」ことです。

たとえば相談者から「仕事のやる気が出ない、辞めたい」といわれたとき、あなただったらどのように対応しますか?

人によっては「いじめ?ハラスメント?」の可能性がよぎったかもしれませんし、「いまどきの若者のやる気のなさかな」と感じたかもしれません。

この言葉を聞いたとしても、そうなっている背景によってベターな答えが変わるでしょう。

・転職先を探す
・部署移動の届け出を出す
・仕事のプロジェクトや難易度の高い仕事に挑戦する
・仕事以外に楽しみを見出す
・上長に相談する
・精神的なケアをする など

いざ就職したけれど、仕事が難しくてやめたいと思っているケースもあれば、仕事の楽しさが皆無で意欲が落ちているケースもあるかもしれません。

ひょっとしたら、パワハラやお局様のいじめを受けている可能性もありますし、いつまでも誰でもできる仕事をやらされて、つまらないと感じている恐れもあります。

1つの言葉であっても、複数の選択肢が本来ならあります。傾聴できない人は話を決めつけ、相談者との認識ちがいが徐々に大きくなったり、信頼が崩れたりします。

聞き上手になりたいなら、自分勝手に決めつけずに、広い視野を持って話を聞くようにしましょう。

たとえつらい状況でも「今の会社でもう少し頑張ろう」と思う人も、「上司や同僚に相談する」と他者の助けを借りるという結論ができることもあります。

カウンセラーは伴走者です。相談者にとって最適な答えが選べるよう、決めつけずに受容しましょう。それが聞き上手の第一歩!

 

3.異文化コミュニケーションを増やす

3つ目は「異文化コミュニケーションを増やす」ことです。

傾聴力を高めるためには、固定概念を取っ払うことが大事です。しかし、ふだん同年代や同じ会社員とだけ交流をしていると、思考が凝り固まってしまうことがあります。

そこでおすすめしたいのが「異文化コミュニケーション」です。異文化コミュニケーションと一言で言っても、必ずしも外国人との交流である必要はありません

・異なる年代
・異性
・異なる国籍の人
・異業種(職種や業界の異なる人)
・役職の異なる人
・異なる通うスタイルの人(起業家、経営者など)

私には、性的マイノリティ(いわゆるバイセクシャル)の友人もいます。ひとえに恋愛といっても、同性への恋心や告白は戸惑いや差別的な反応をされることもあるそうです。

その友人の話を聞くことは、マジョリティ(大多数)の恋愛とは異なる悩みを知り、LGBTへの理解を深め、自身の固定概念を取っ払うことに役立ちました。

副業でカウンセラーになろうとしたときには、積極的に経営者や起業家、事業成功者とかかわるように、週に何度も高ランクのセミナーや交流会に足を運んでいました。

結果、会社員での「当たり前」がパリーンといくつも割れていき、「時間は生み出すもの」「できない理由よりできる理由を探すから、実現するんだ」などの成功者の考えをインストールすることができたのです。

聞き上手な人は固定概念で聞くのではなく、純粋性を持って話を聞きます。柔軟な思想を取り入れるため、意識的にふだん話さない人との交流を増やすことをおすすめします。

 

4.ロープレで傾聴スキルを上達させる

4つ目は「ロープレで傾聴スキルを上達させる」ことです。

心理学や傾聴法、カウンセリング技法を学ぶことは、聞き上手になる上で有効な方法です。けれども、座学だけでは限界があります。

いくら勉強をしたとしても、習ったものをモノにするためには、現場での実践が欠かせないからです。

スクール生の中には、シミュレーションをしてカウンセリング練習をする子もいます。けれども、自分が考えた通りに受け答えとなるケースは極めてまれです。

スクール受講生同士で練習を重ねたり、講師からのフィードバックやスーパービジョンを受けて改善したりすることで、傾聴が難しいと悩む状態から傾聴できる状態へと成長します

当スクールの場合、個別指導に力を入れているため、カウンセリング練習(ロープレ)で軽度な個別課題を出すことも多いです。その課題を実施する子は、およそ3~5か月程度にはお金をもらって聴ける程度の傾聴スキルを身に付けます。

せっかく傾聴スキルを上達させたいのなら、1人だけだと天井があることを知り、個別に指導してくれるスクールを選びましょう。個別のフィードバックをもらえる環境なら、さらなる上達が実現することでしょう。

 

5.悩みを引きだす質問力を活用する

5つ目は「悩みを引きだす質問力を活用する」ことです。

たとえば相談者に「こどもの不登校で悩んでいる」といわれたら、あなたはどう受け答えしますか?

傾聴が難しいと訴える人のカウンセリング記録やロープレ状況を見ると、「深く聴けていない」ことが少なくありません

こどもの不登校で悩んでいるとしたら、「不登校で悩んでいるのは、どの部分に対してか?」「それ以外に心配な点はあるのか?」「どのくらい悩んでいるのか?(食事や睡眠もとれないくらい?)」など聴くべき要素はたくさんあります。

それにもかかわらず「こどもが不登校で悩んでいる」で、ある程度分かったつもりになってしまうと、深く聴くことができず、細部の悩みをヒアリングできません。

【こどもの不登校の悩みとして考えられること】
・世間の目が痛い
・親の育て方の原因といわれるのではないか?と不安
・学校は行くべきものなのに、行かないのはおかしい(相談者の常識)
・姑に叱責されるのがイヤだ
・こどもが引きこもりになってしまったらどうしよう
・社会不適合やニートになってしまうことへの心配
・授業や勉強の遅れが気になる(進学できるのか)
・友達と話す機会が減り、社交性が乏しくなることへの危惧 など

勉強面での懸念なら、家庭教師やオンライン指導で解消が可能です。社会と疎遠になるのが心配なら、職業体験やコミュニティの活用などで補えるかもしれません。

姑や社会からのバッシングなら、保護者側の悩みであると気付けますよね。(この場合には、保護者の精神的ストレスや人間関係の悩み軽減に向けて、カウンセリングをすすめた方がよいでしょう。)

傾聴力を高めることは、悩みの本質や現状を引き出すことにもつながります。的確な質問をし、相談者の心が軽くなる、そんなカウンセリングを提供していきましょう。

 

傾聴はスキル!プロ実践の5つの方法を取り入れて、聞き上手になろう

いかがでしょうか?今回は「プロ並みに聞き上手になる5つの方法」として、

  1. 傾聴=技術と気づき、正しい聴き方を学ぶ
  2. 答えが無限大にあると知る(純粋性、受容、共感)
  3. 異文化コミュニケーションを増やす
  4. ロープレで傾聴スキルを上達させる
  5. 悩みを引きだす質問力を活用する

などについて、お伝えしました。

カウンセリングは「話を聞いてもらうもの」「慰めてもらうもの」のイメージが強いかもしれません。たしかに気持ちを楽にしたり、ストレスを和らげたりする効果があります。

一方で、効果的な受け方をすることで、思考グセや行動パターンが変わっていき、根本的な職場いじめやモラハラ彼氏などの悩みから解放されることも少なくありません。

カウンセリングの効果や可能性を知り、相談者を支える側にステップアップしていきましょう。ご興味ある方は、「未経験・資格なしからオンラインカウンセラーになるための7日間メールレッスン」をご利用ください。

あなたの心が晴れやかになり、あなたとあなたの周りに笑顔の花がたくさん咲きますように祈っています。

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心理カウンセラー田倉さとみ

心理カウンセラー田倉さとみ

エイド・カウンセラー協会 代表

いじめをきっかけにカウンセラーを目指すも、求人のなさ・集客に悩む。高額の経営塾等でビジネスを学ぶことで20代でひとり立ち。
しかし1馬力の限度も感じ、エイド・カウンセラー・スクールを開設。
ミッションはエイド・カウンセラー(仲間)を1,000人以上が増やすことを通じて、うつ病・自殺者が1,000人未満に減少させること。
心理歴15年、セミナー講師登壇120回以上、550名以上の臨床経験をもつ。
主なメディア出演はTBSテレビ、かわさきFMラジオ出演。著書「こころの予防医学」出版。

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